インドネシア人日本語教師のP先生から「けんじ先生、今週の日曜日にタマン・ミニに行きませんか?」と誘われたのは月曜日のことでした。タマン・ミニはインドネシア各地の建築を集めたテーマパークです。
ジャカルタに赴任して以来ほとんど観光をしていない私を気遣って、観光地に連れて行ってくれるという申し出です。もちろん、ありがたくお受けしました。
水曜日にP先生はタマン・ミニのチケットを見せてくれました。「アチェ(スマトラ島北部)料理のコンテストがあります」。どうやらチケットはその招待券のようです。なんでアチェなんだろう? スマトラの料理は辛いものが多いので、苦手なんだけどな……と思いましたが、せっかくの好意です。当日を楽しみに待つことにしました。
そして当日。P先生と一緒に公園のゲートを入ったところで、突然「けんじせんせ~い!」と声を掛けられました。あれ? ウチの学校の生徒が車から手を振っています。遊びにきたようです。なんという奇遇!
アチェ建築が立ち並ぶ一角に大きなテントが張られ、そこで料理コンテストの準備が進んでいました。その会場に入って、ようやく事情が飲み込めました。アチェ料理コンテストは、ジャカルタ市内の高校生によって競われるもので、ウチの高校も参加するのです。生徒たちは出場者とその応援団でした!
出場した3人は手際よく準備を進め審査を受けます。
私はアチェ建築を見たり、応援の生徒と話したりして料理が出来上がるのを待ちます。そして数時間後。ウチの生徒は見事に11校中3位の成績を収め、賞金300万ルピア(約3万円)を獲得しました!
生徒はみんな抱き合って大喜び! 私も一緒になって喜び、料理もいただきました。料理は特にアチェ料理ではなく、とってもおいしかったです。
インドネシアでは言葉の壁もあり、とにかく行ってみないと分からないことが多いです。でも、行ってみると、たいてい良いことがあります。