はじめまして。
ベトナム4期としてバリアブンタウ省に派遣されている、櫛原織江です。第二外国語として日本語を学ぶ、3つの高校で活動しています。
さて、今回はベトナムの民族衣装「アオザイ」について紹介します。
ベトナムと言えばアオザイ姿の優美な女性を思い浮かべる方も多いかもしれません。アオザイは民族衣装といっても、誰もが毎日着ている訳ではありません。そんな中、毎日思い思いのアオザイを着て働く人がいます。それは、女性教師です。
一年を通して暖かいブンタウでは、先生方は毎日アオザイ姿で教壇に立ち、女子生徒も白いアオザイの制服を着ています。若い先生はパステルカラーの可憐なアオザイ、年配の先生は色柄のはっきりとしたアオザイを選びます。袖の長さや襟のデザイン、刺繍やビーズによる装飾、ズボンの幅、生地の組み合わせを自由に選び、それぞれの体形に合わせて作られたアオザイは、十人十色のきらびやかな個性を放っています。
自然光の教室の中、風に吹かれて裾がひらひらと舞う美しさは、心を和ませます。
(なお、男性の先生や男子生徒はシャツにズボン姿です。男性のアオザイは伝統芸能などで着られています。)
先生方の美しさに惹かれ、私も何着かアオザイを作りました。
アオザイを作るときは、まず生地屋で服とズボン用の布を購入し、仕立屋に持っていき、全身を採寸したうえで、デザインを相談して仕立ててもらいます。布代と仕立て代を合わせて一着3000円くらいで作ることができます。
カウンターパートの先生に、「日本人は黒や紺色ばかり着ます。若いのだからもっと明るい色を着なきゃ!」と言われ、思い切ってピンクや赤のアオザイを作りました。
また、体形の近い先生がお下がりをたくさん下さって、今では毎日違うアオザイで学校に行きます。
先生方のアオザイ姿は、毎日の楽しみの一つです。アオザイを通してベトナムの感性に触れ、もっと深く知りたくなりました。