インドネシアの学校の教室は、日本人の私からすると少し暗いです。それは日光が入って暑くなるのを防ぐために、窓が小さいからだと思います。
教室が暗いからか、鉛筆ではなくボールペンを愛用する生徒も多いです。
不思議なのは、生徒はみんなちゃんと筆箱も筆記用具もノートも持っているのに、修正液だけは全員は持っていなくて、持っている人から借りるのが当然になっていることです。
あたかもみんなの共有物のように、手渡しリレーが頻繁に行われます。
あんなに皆に使われたらあっという間に無くなってしまいそうですが、所有者本人はあまり気にしてはいないようです。
体育の授業で使うバドミントンのラケットも、持って来ていない生徒が当然のように他のクラスに借りに行きます。
多分、生徒の30%位がラケットを借りています。
職員室にはいつも食べ物が置いてある机があります。誰かがたくさん買ってきて、誰でも食べたい人が食べます。
日本のように「皆がお金を出し合って共通費にする」という考え方はありません。
食事に行っても「割り勘」や「各自個別会計」は一般的ではなく、その時お金を持っている人(場合によっては複数の人)が払います。
おごってもらった人は、どこかで自分も支払う側になって、全体としては公平になるように配慮します。
南の国らしい大らかさに加えて、インドネシアには、たくさん持っている人が他の人と所有物を分かち合うのは当然という考え方があるようです。
みんなで分かち合うことで限られた資源を効率的に活用する仕組みでもあり、貧富の格差を小さくして社会正義を実現する方法でもあるのかもしれません。