日本でも学校に勤務していた私は、タイと日本の学校の違いに驚くことがたくさんありました。まずはスマートフォン(スマホ)の使用です。派遣校では授業中にスマホを自由に使っています。もちろん充電をしたりゲームをしたりしている生徒もたまにいますが、パワーポイントの写真を撮ったり調べものをしたり、自由にさせても良い使い方をしているなという印象です。授業にスマホを使ったゲームを取り入れたこともありました。先生も生徒も、発想がとても柔軟です。
中学生の授業で都道府県について調べてポスター発表をした時には、私のA3一枚という概念が完全に覆されました。日本ではどうして四角い枠に収めないといけないと考えていたのだろう……と思ってしまうほど。この発想の柔軟さはどこから生まれるのか、本当に興味深いです。
個性が尊重されるタイ。表彰はどんなに時間がかかっても一人ひとりに手渡します。そして、一人ひとり写真撮影。初めての時は次の予定を心配しましたが、賞状を手にした生徒の誇らしそうな顔を見ると、これはとても大切な時間なのかもしれないなと思うようになりました。個を大事にすることにつながっているのでしょうか。
教室に入る時に靴を脱ぐことも、最初は慣れませんでした。先生は脱ぎません。先生と生徒はとても親しくしていますが、このような区別ははっきりしています。
タイにもようやく慣れてきたと感じられるようになった先日、日本語専攻の授業で焼きそばと大福を作りました。焼きそばは作ったことがない、と言いながら手際よく麺を炒める生徒たち。どうして? と聞くと「パッシーユーは時々作ります」とのこと。同じようなタイ料理があることを忘れていました。炒め終わったらお皿ではなくボールへ……。次のクラスでは予めお皿を用意しましたが、それでもボールへ。車座になって各自取り分け、食べ始めました。これもタイスタイルですね。帰国が近づいても、まだまだタイには驚かされる毎日です。