インドネシアの高校に派遣されて、とても驚いたことは、生徒たちが提出する「宿題」です。まだ私が派遣されて間もない頃、先生が、日本語を使って自己紹介カードやバースデーカードを作る宿題を出したところ、どれも画用紙を使って、色とりどりの文字を書き、きれいに装飾されていました。まるで美術とか工作とかの宿題のような出来栄えでした。
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先日、世界遺産のボロブドゥールに行ったとき、制服姿の高校生に話し掛けられ、一緒に写真を撮り、且つ紙にサインして欲しいと英語で言われました。よくよく聞いてみると、彼らは近所の職業高校の生徒で、観光の専攻であり、「ボロブドゥールに観光に来ている外国人に英語で話し掛け、一緒に写真を撮り、紙にサインをもらってくる」という英語の宿題が出たのだそう。首から提げているカードの裏には、外国人に話し掛けるための英文がたくさん書かれていました。
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それを見て思い出したのが、私の学校の日本語の先生が出していた宿題です。生徒たちは必ず何らかの教科の担当(ご用聞き係)になっているのですが、自分の担当教科の先生にインタビューをしなければなりません。どこに住んでいるか、趣味は何か、好きな食べ物は何か、職員室での席はどこか。そしてここでも、生徒はその先生と2人で写真を撮り、その写真と共に先生にインタビューした内容をまとめます。このような、机の上だけで済ますことのできない宿題は、割りとインドネシアでは一般的なようです。
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これらの宿題を見ていつも思うことは、生徒たちが楽しみながら学習しているということです。締め切り間際にやっつけ仕事のように適当にやった、と思われる宿題は見あたりません。宿題を完成させるのも、ひとつの楽しみなのでしょう。
インドネシアの宿題には、私たち日本人が学ぶことが、たくさんありそうです。