ベトナムのブンタウで暮らす人々の目は、とても生き生きしています。
屈託のない笑顔をパッと浮かべる大人や子供を見ると、嬉しい気持ちになります。
そんなブンタウの高校で日本語を教えていると、生徒たちの観察眼に驚かされることがあります。
例えば、板書の字をとても忠実に、真剣なまなざしで写し取ります。
時には慣れないひらがなやカタカナを一生懸命見るあまり、先生の字のクセや黒板の汚れまで丁寧に拾い、書き取ってしまうことがあります。
結果として、クラス中の生徒が見事に先生と同じ字を書くようになります。
(字の上手な先生のクラスの生徒は、本当にきれいなひらがなを書きます。責任重大です!)
書道の文化紹介をすると、皆ほとんど筆を持ったことがないにも関わらず、少しの練習ですばらしい作品を書き上げることができ、驚かされました。
手本の筆遣いをよく観察して、真似することができるのでしょう。それに、生徒から自分だけの良い字を書きたい、という意気込みを感じます。
子供のころから学校できれいな字を練習してきた、ベトナムの生徒ならではの特技だと思います。
先日、ホーチミン市の国際交流基金ベトナム日本文化交流センターで開催された、
「生活文化で学ぶ日本語」という文化講座で、絵手紙を紹介する機会をいただきました。
はじめに全員でミカンを描いて、それから好きなモチーフを選んで自由に描きました。
ここでも、観察眼が光ります。
ちなみに、どうしてみんな目が生き生きしているか、考えてみました。
色々な理由があると思いますが、日本の生活習慣と大きく違うことが一つあります。それは、生徒はとても早寝早起きだということです。
ベトナム南部の学校は、日中の暑さに合わせて7時には授業が始まり、お昼にいったん家で休み、午後に再び登校します。そのため、朝は5時台に起き、昼寝もして、夜は21~22時には寝る生徒が沢山いました。とても良い習慣だと思います。