みなさんこんにちは。私が紹介するのは特別支援学校での文化紹介の様子です。お話を頂いたのは同じアパートにお住まいの、特別支援学校聴覚障害者クラスの先生からです。突然の依頼で戸惑いましたが、多くの人たちに日本の文化を体験してほしいと思い、お話を受けました。先生は日本語教師ではありませんから日本語を話しません。そこで、近所の日本語ができる方にお手伝いをお願いしました。打ち合わせの通訳、指導の流れの翻訳などお忙しい中をぬってご協力いただきました。
授業は22名の高校生のクラスです。黒板に貼った「桜」「笑」「愛」の漢字をみて、一斉に手話が始まりました。それは静かな教室ですが、生徒の心の動きが伝わってきます。私は先生の協力の下、習いたてのベトナムの手話で文字の意味を伝えました。
文字を書くときの姿勢は特に大切だと考え、体操で姿勢を作りました。私が動きはじめると、生徒たちの視線がぎゅっと集まります。
練習の後、「Me」と半紙に文字を書きました。生徒が一斉に自分の頬を触ります。「お母さん」の手話です。次に「Cha」と書くと、今度は自分の顎を触ります。「お父さん」の手話です。 私は書、生徒は手話でコミュニケーションをとりながら文字の練習に入りました。 ひとりひとりの手を取りながら、筆使いと文字の大きさを伝えていきます。
はじめて見た漢字を選んで書いた生徒が数人。とても味のある文字に仕上がりました。
最後に並んで記念撮影をしましたが、どの文字もそれぞれの個性が表現され、どの顔も書を楽しみ、作品を仕上げた自信ある笑顔になったことがなにより嬉しい事です。
日本語パートナーズとして赴任して8ヶ月。この時の中でつながった人たちのお陰で今回の文化紹介が実現し、生徒と書道を通じて心のつながりを共有することができました。