どうも。マレーシアのサラワク州クチン派遣の飯島葉月です。
実はサラワク州のあるボルネオ島に派遣されてから、ココならではのことを何かしたいなー!と思っていた私ですが……この度、休日など空いた時間を利用して、『サペ 』*1 を始めることにしました!
*1 サペ…Sape/Sapekなどスペルはさまざま。ボルネオ島の先住民族「オラン・ウル」の伝統楽器で、ボルネオギターとも呼ばれています。サイズは結構大きめですが、もっと大きいものも小さいものもあります。写真のサペはオーダーメードで作って頂いたもので、私の名前入り! 記されている模様はオランウルの伝統的なデザイン。ネックレスもオランウルの伝統産業として有名なビーズネックレスです。
そんなふうに習い始めて二ヵ月程したある日、サペ教室の先生から「6月にハリガワイ*2 のリサイタルやるよ! 葉月、日本から何か楽器持ってきてたよね? サペもだけど、せっかくだからそれも弾いちゃいなよ!!」というお言葉を頂き急遽、日本から持ってきた三線&サペのコラボリサイタル出演が決定!
*2 ハリガワイ…サラワク州のイバン、ビダユ、オランウルなどをはじめとした先住民族の収穫祭で、日本の行事で例えるならばお正月のようなもの。皆地元へ帰省してお祝いをします。写真はハリガワイにクランタンからクチンに訪れてくれた同期の日本語パートナーズ(NP)とビダユのロングハウスへ行き撮影したもの。中央のビダユの方は日本語で話しかけてくれました!
これがビダユのロングハウスです。竹でできた長い廊下が印象的。
リサイタルのポスター。三線の写真も入れてポスターにしてくださいました!
サペは、元々歌に合わせるタイプの楽器ではなく、人を癒したりダンスに合わせたりといった楽器ですが、「三線は、歌もあります~」と先生に説明したところ、「じゃあ歌っちゃいなよ!」ということで、さらに急遽同じクチンで活動する二人のNPに歌ってもらうことに……! 夢に見たチームクチンジャパン*3 で、クチンの街での公演が実現したのでした!
*3 チームクチンジャパン…クチンで活動する我々NPの三人の通称です。日本での派遣前研修の際に、日本語ラップを三人で披露し、いつか派遣先でも何か披露したいねーなどとふざけつつ言っていましたが、今回ラップではないですが本当に三人で派遣先で公演が実現! 普段はSNS等で日本やクチンの情報を発信しています。写真は直前練習中の一コマ。
本番は想像していた以上にきっちり作り上げられたステージにドキドキの三人でしたが、クチンの街で、こんなに日本をPRできるチャンスを逃すまい!と浴衣やお揃いの法被を着てステージへ! 元々音楽が専門でもない三人が急遽ということで完成度はアレだったかもしれませんが笑、地元の方々から暖かい拍手を頂き、とても貴重な経験をさせて頂きました。
ドキドキのステージだった本番。写真は発表前に三人の自己紹介して和やかに話している場面。
サペ教室の先生&生徒の皆さん&それぞれのサペと共に! 生徒の方々はほとんど初対面の方でしたが、皆さんとっても気さくでお優しい! つい先日まで日本へ旅行されていた生徒さんもいらして浴衣や日本の話で大盛り上がり!
帰路、浴衣で一人少し街を歩く場面があったのですが、普段歩いていてもマレー語でしか声をかけられない道で、街の方から「こんにちはー!」「ありがとー!」と日本語で声を掛けられ、改めて「浴衣」=「日本」=「こんにちは」となるのってすごいと感動し、帰国までにもっと何かこの街に残していけたら、と思ったのでした。
大好きなサラワク川から眺める夕焼け。この道を通るたびに「あと何度この景色を眺められるんだろう」と少し物思いに耽ってしまいます。
引き続き、現地の文化を吸収し日本へ発信、そして日本の文化を現地へ発信し、日本とマレーシアの架け橋となっていけたらと思います。
今回活躍してくれた楽器たち。また学内外で日本・マレーシアそれぞれの文化を紹介していきたいです。