高校野球をする日本人が「甲子園」を目指すように、台湾で日本語を勉強する生徒にとっても目標とする舞台があります。
「スピーチコンテスト」に代表される語学コンテストです。
日本に比べて、部活動が活発ではない台湾。
その代わりに「朗読コンテスト」、「紙芝居コンテスト」と行った様々なコンテストが開催されており、台湾全土から日本語の猛者たちが集結します。
その中から今回私たちは「プレゼンテーションコンテスト」に参加しました。
1~3名のチーム編成で、制限時間8分以内に日本に関する内容であれば発表内容はなんでもOK。審査基準は日本語能力はもちろん、PPT(パワーポイント)の中身やボディーランゲージ、衣装までが評価対象になっており、少し日本のコンテストと審査基準が異なることに戸惑いを覚えました。
指導方法も工夫して、「こうしなさい」ではなく「こうしたほうが伝わるよね」と、生徒と信頼関係を築きながら、2人3脚で、セリフやPPTを作り込んで、それぞれの想いを重ねて行きました。
台湾の面白い所は、コンテストの特訓をするという理由で公欠が認められた事。何度も練習を重ね、それでも時間が足りないので、休日も学校に来て練習をしました。
練習風景はいつしか日常の光景に
迎えた本番当日。
くじで2番手を引き当てた生徒達。
緊張の中、生徒達は練習いや練習以上の素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。
全ての発表を見終わった瞬間、「入賞いける!」と心の底から思いました。
しかし、残念ながら入賞を逃してしまいました。
審査員によって、採点がかなり変わるのと、ルールも結構曖昧な所があるようです。
審査結果を聞き終えて、1人の生徒が「先生ごめんなさい」と声をかけてくれました。
私より悔しい思いをしているはずの生徒からの思わぬ一言に涙を堪える作業でいっぱいになりました。
この時、みんなの気持ちはひとつになっていたと実感しました。
勝たせてあげる事は出来なかったけど、みんなが最高(1番)だよ!