こんにちは。バリ島東部クルンクン県派遣の大口智実です。私の派遣校の語学系クラスが使っている教科書は、日本語にローマ字表記がありません。授業の最初に各々で教科書を読みます。でも、ひらがなが苦手な生徒が多いので、ひらがな表と照らし合わせながら、少しずつ読んでいます。文字を読むことに精いっぱいになって、新しい学習内容の理解までいけない生徒が多いように感じていました。話すことができれば、文字はわからなくても良いのではないかとも思いました。そこで国際交流基金の日本語専門家の方に、ひらがなの学習について相談しました。そして「せっかく日本語を勉強するなら、文字もわかったほうが楽しい。書くことは難しいが、読むことは慣れ。日本語パートナーズの担当として、少しずつゲーム感覚で取り入れていけば良いのでは」というアドバイスを頂きました。CP(カウンターパート)の先生に伝えると、早速時間をとってくださり、ひらがなゲームがスタートしました。
ゲームには、CPの先生が持っていたひらがなカードを使っています。
ゲームはとてもシンプル。ひらがなを5×5のマス目に自分で書いて、カードを引いて出た文字を読み上げて消していくひらがなビンゴや、ひらがなカードを次々見せて1分間に何個読めるか競争する等です。カードを机に並べて、私が日本語を読み上げ、使われている文字を探すひらがなカルタもしました。10年生(高校1年生)は「いぬ」「かさ」等の短い単語で、12年生(高校3年生)は「おてらへいきます」「くつしたをはきます」といった文も入れました。
12年生クラス。とりあえず沢山持って、ゆっくり探す生徒もいました。
ゲームをすると、生徒はとても盛り上がってくれます。私のちょっとした考えを打ち明けてみたら、すぐに取り入れてもらうことができました。最初から「そんな必要ないかも……」「時間も無いし……」と思わずに、伝えてみることは大事だなと気付いた出来事でした。ひらがなを読める生徒が一人でも増えたら嬉しいです。