台北市立中山女子高校は1897年に「台湾総督国語学校第一附属学校女子分教場」として設立された伝統校で、市内でも一、二を争う受験校でもある。生徒数は約2500人で、モットーは、「誠実、高潔、好奇心と英知」。また、5つの大切な価値として、「互いに尊敬し合うこと、正直さ、責任感、感謝の心と規律」が謳われている。全体に「質実剛健」な雰囲気が感じられる。同校では設立当初から連綿と受け継がれてきた先達の記録や遺物を大切に保管・展示している。
本校では、学業と同様に、スポーツや芸術活動にも力を入れており、学外のコンテストでも実績を積んできた。国際交流も盛んで現在、ドイツとアメリカからの留学生が学んでいる。また、姉妹校である大阪の住吉高校とも交流を重ねており、昨年は300人近い生徒の来訪があった。クラブ活動も盛んで、東洋和風社という日本文化を研究するクラブもある。活動の主体は2年生で、全て自主運営。昨年の学園祭では浴衣体験と大福を企画した。クラブ活動を通して、前述した5つの価値も養われるようだ。
秀才ばかりの集団というイメージが先行し、当初、少し尻込みをしていたが、ある日、生徒に率直にその気持ちを伝えてみると、こんな趣旨の答えが返ってきた。「世間では自分たちのことをエリートという人もいるが、自分たちは年相応の普通の女の子だ」と。実際、アニメや嵐(アイドルグループ)が大好きな生徒や、授業に縫いぐるみを持ってくる生徒も少なくない。
生徒のスケジュールは過密で、昼休みにリレーやエアロビクスの競技会が行われることが多いため、大忙しだ。写真の「極楽クマちゃん」は、生徒のだれかが飾ったものらしい。常に受験のプレッシャーと闘い、時間に追われている彼女たちが「今一番したいこと」の象徴かもしれない。お疲れ様!
中山女子高校とご縁を結んでいただいたことに感謝するとともに、生徒の皆さんの夢が叶うよう祈らずにはいられない。加油(がんばれ)!