潮州高校で私が好きな場所として以前アートな空間をご紹介しましたが、もう一つお気に入りの場所があります。小さな水族館、クマノミが泳ぐ水槽が並ぶエリアです。その水槽の世話をしているのは、「Coral Reef Ambassadors-珊瑚礁大使」。
太平洋、バシー海峡、台湾海峡に接し、サーファーが集まる墾丁(ケンディン)、サンゴ礁でできた島―小琉球などの海の観光地を有する屏東県。海がとても身近にあり、海洋への関心が高い生徒が多くいます。その有志からなる珊瑚礁大使。
海洋の現状を理解し、直面する問題を学校内外に知らしめ、海洋教育と環境保護を訴えようと6年前に結成されました。
定期的に海洋酸化、海洋汚染、魚類の過剰捕獲、地球温暖化などの問題について講義や討論を行っています。
デンマークの姉妹校が訪問した際は、デンマークの生徒と海の生き物たちの環境問題とその解決策について話し合うワークショップを行いました。「珊瑚礁大使」たちが5つのグループに分かれて、デンマークの生徒に英語で説明し、討論も全て英語です。完璧な英語ではありませんが、内容はきちんと伝わっていました。珊瑚礁大使の中には海外研修に参加したり、国際団体の活動に参加したりする生徒もいます。言語は交流に必要だからと多くの生徒がテストのためではなく、コミュニケーションツールとして英語や日本語を勉強しています。
珊瑚礁大使は実際に海洋に赴き潜水や海上での活動も行ないます。そのための安全講義や海洋スポーツ講座もあります。
先日週に1回の水槽掃除にお邪魔しました。放課後、水槽の中の様子を見つつ、蚊と戦いながら一生懸命掃除していました。長期休みの間も近くに住む生徒を中心に世話をしているそうです。
屏東のきれいな海をいつまでも残したい。世界につながる海の将来を担う頼もしい珊瑚礁大使たちです。