日本と似ているようで異なる台湾。台湾の人々の生活空間に入り、約1か月。現地ならではの学校文化を体感し、日々新たな発見と多様な気づきがあります。
例えば、台湾の学校の生徒と教師の関係性は非常に近いと感じます。私自身の学生時代を振り返ってみると、職員室に入る際には名前や入室理由等を言わなければならず、一定の緊張感を伴ったものです。しかし、台湾の学校における「職員室」の概念は、日本の学校とは若干異なるように思われます。こちらの職員室は、必ずしも事務的な連絡や授業の質問、相談等の「用件」がある場合のみに足を踏み入れる場所というわけではなく、先生に会いに気楽に遊びに行ける空間であるという印象です。例えば、とりわけ人気の先生の席には、生徒が絶え間なく訪れます。当初、先生と生徒が職員室で一緒に雑談をしたり、おやつを食べたりしている姿には、大変驚かされました。
また、最近では私の机にも、日本語や日本文化に興味がある生徒がちらほらと遊びに来てくれるようになりました。有り難く、嬉しい限りです。
なお、生徒・教師間での連絡先の交換が禁止されておらず、SNSでのやり取りが頻繁に見られます。勿論これは強制されるものではなく、教師自身が個人情報を守るために、生徒との連絡先の交換を拒否しても問題ありません。
さて、このように生徒と教師が近い関係にある中で、「近過ぎる」故の問題は生じないのかとも思いますが、むしろ生徒が教師を敬う文化が根付いているように思います。例えば、孔子の誕生日にちなんだ、毎年9月28日に行われる「教師節」の際には、生徒から教師に感謝の手紙を渡す姿が見られました。
私自身も、生徒数名から「教師節快樂!」メッセージをもらいました。赴任早々の出来事であったため、大変驚きつつも感激しました。台湾の学校において、教師は生徒にとって話しやすい身近な大人であり、人生の大先輩の一人なのではないかと感じています。