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どうしてすぐ授業がなくなるの?

私の派遣されているバリ島はインドネシアの中では珍しく、多くの人がバリヒンドゥー教を信仰しています。ここでの生活は宗教と習慣が混ざり合っていて、この2つは切っても切れない関係です。そんなバリでの暮らしは無宗教といわれる日本から来た私にとっては不思議なことで溢れています。

近所を歩くと必ず見つかる数多くのお寺やそこから聞こえるお祈りの声、町中にあふれるお線香の香りとお供え物、授業前に必ず行われるお祈りや、お寺でのお祈りを済ませ額や喉元にお米を、耳や髪に花をつけている生徒たち……と挙げればきりがありません。

学校でも宗教を身近に感じることは非常に多いです。満月や新月の時には伝統衣装で登校し学校のお寺でお祈りをします。そのため授業が半日なくなることも。先生たちも「私は儀式があるので学校へ行きません。」なんてことも月に一度以上はあります。お寺の記念日続きの時期には連日学校が半日で終わっていました。

伝統衣装を着て整列してお祈りをする生徒たちの写真
授業の前に全校生徒でお祈りをします
葉っぱで編まれた篭に飾られたお花と線香の写真
バリヒンドゥー教のお祈りの時に使う花と線香。色とりどりできれいです
塔のように高く積み上げられたお供え物の写真
サラスワティ(学問の女神)の日のお供え物の数々。生徒たちの手作りです!

こんな授業なくなるエピソードの数々は日本だったら「ありえない!そんな簡単に授業がなくなるなんて……(うらやましい)」と思う人が多いでしょう。

ですが、先生や生徒たちはうちへ帰って休んでいるだけではないのです。というのも、バリの儀式では人々はコミュニティ内で役割があり、準備から本番まで仕事があります。この仕事は収入を得るための仕事と同じくらい、もしかしたらそれ以上に重要な仕事なのです。

初めは授業がなくなってばかりで疑問に思っていましたが、それもこれも宗教と伝統を守るための大切な習慣なのだと分かってからは、仕事よりも優先すべきことがあり、それを守るための社会ができていることに感銘を受けました。またそれは宗教的な儀式だけではなく、家族や自分のことも仕事よりも優先できることに繋がっています。

何かと仕事を優先してしまいがちな日本の社会もバリスタイルで柔軟になればもっと生きやすいかもしれないな~と考える日々です。

Writer
インドネシア バリ州
渡邊 日緒里さん

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