日本と台湾の学校を比較するうえで最も顕著な相違点は、予め定められている事柄の数であると日々感じています。
第一に、校則の柔軟性が挙げられます。日本の学校では、服装から頭髪、学校への持参品に至るまで、その一つひとつについて詳細な規則が設けられている場合が少なくありません。他方、こちらの学校では生徒自身の選択に委ねられている事柄がより多いようです。
例えば、登下校時や日中に必ずしも制服の着用が義務付けられているわけではなく、常に制服を着用している生徒もいれば、体操着の生徒もいます。また、私服登校日はないものの、校内で自分のジーパンやTシャツを着ている生徒も時々見られます。これは、熱帯気候で非常に暑く、各自の衣服で温度調節をできるようにすることや、平日であっても制服を洗濯する日が必要であるという理由に基づくものであると聞きました。
また、持ち物に関しても、日本に比べて禁止されているものが少ないように思われます。 例えば、漫画の持参、ドリンクスタンドで購入したジュース類、お菓子の飲食等も、問題ありません。以上の事柄に関連して、日本の学校の一般的な規則や校内の様子をクイズ形式で紹介したところ、生徒、教員の双方に大変驚かれました。
第二に、選択授業の時限数の多さと選択肢の幅広さです。永仁高校は、中学校と高校が同じ敷地内に併設されています。中学校には正規の課程としてのクラブ活動があり、法律、琴、陸上競技、バスケットボール、ガール/ボーイスカウトなどが開講されています。
また、高校には「多元選修」の時間が設けられており、生徒たちは日本語、スペイン語、英語、自然探究、文化、テレビ及び映画など多様な科目から1つを選択します。
年齢が若いうちから、自らの知的好奇心に応じて1つの科目や主題にとことん取り組める時間は貴重であり、以後の方向性を定めるための手がかりを得るうえでも、大きな意味あることだと思います。