はじめまして、こんにちは!バリ州東部のカランアッサムにある学校に派遣されている吉田千夏です。
突然ですが、皆さん、「花嫁修行」と聞いて、どんな修行を思い浮かべますか?最近ではあまり聞かない言葉ですが、日本では料理や裁縫、掃除などの家事が一般的なものではないでしょうか。しかし、バリ島では、家事の他にもう一つバリヒンドゥー教の地域ならではの大切なスキルがあります。今回は、私が実際に経験したバリの「花嫁修行」について紹介したいと思います。
バリ島は、インドネシアの中では珍しく、人口の9割がバリヒンドゥー教を信仰しています。バリヒンドゥー教は、祭日が多いのが特徴的で、その際に多くのお供え物やお寺の装飾が必要になります。基本的にこれらの準備は、女性(母親)が行います。つまり、バリの女性は、結婚する前にこれらを準備できるようにならなければいけません。これこそがまさにバリヒンドゥー教の地域ならではの「花嫁修行」なのです。
私の学校では、昨年12月7日ハリ・サラスワティ(学問の女神に感謝する日)という祭日に向けて、お供え物や装飾品を生徒たちと1週間前から準備しました。
バリの家庭では、代々祖母や母親から娘へ装飾品の作り方を小さい頃から少しずつ教わるそうで、私は、多くの生徒たちが慣れた手つきで黙々と作業をしている姿に驚きました。
装飾品は主に若いバナナの葉を使って作られています。とても複雑な作りのものばかりで、バリの人の手先の器用さに圧倒されました。
私は一番簡単なチャナン(お祈りの際に使う装飾品)と呼ばれるものしか作れませんでした。
このように、バリの「花嫁修行」は家事だけではなく、宗教とも関係しているものでした。私がバリで結婚するのはまだまだ難しそうです……(笑)