海に囲まれた台湾で唯一海に面しない台湾の中央に位置する所に「南投県」があり、ここに私の派遣先、国立水里高級商工職業学校(通称:水里商工)があります。
水里商工はとにかく月のイベントが多い高校です。しかも、どれもクオリティが高いのです。その中で、私が度肝を抜かれたイベントである「運動会」を紹介します。
台湾の運動会は過ごしやすい12月に行う学校が多いです。そして水里商工の運動会は2日間に渡り行われ、そのパフォーマンスの凄さは運動会初日の行進から既に始まっています。行進と言ってもそれは単にクラスごとに歩くだけではないのです。教師も含めた入場行進は、まずは『儀仗隊(ぎじょうたい)』の行進です。銃に見立てた棒はかなりの重さがあります。それを全員揃って一糸乱れず回したり持ち上げたりする様は、ほれぼれするほど恰好良いです。
次に教師入場です。教師も運動会用に毎年お揃いのポロシャツが学校から配られます。そして手にはバルーンを持ち、運動会をより華やかに盛り立てます。
そして、クラスごとの入場行進が続きます。水里商工は職業高校ですので、その専門性にちなんだ仮装をそれぞれ行います。その一部をご紹介します。
日本語科の2,3年生が着用している巫女や浴衣の衣装は学校保有の品であり、台湾の国立高校唯一の日本語科というだけあって、日本文化に関わる備品の多さに力の入れようが伺えます。
一通りの入場行進が終了したら、このようにクラス旗が掲げられます。その配列も旗の高さも綺麗に揃えられ、見事としか言いようがありません。
これだけでも、十分に見ごたえがあるのですが、本番はこの後の生徒たちによるパフォーマンスだそうです。水里商工は和太鼓までも学校で保有しており、定期的にプロの演奏者に来てもらいその指導をしてもらっています。山に囲まれた広いグラウンドに鳴り響くズシリと重低音の和太鼓と、統一されたパフォーマンスに感動を覚えました。
そして、感動の嵐はまだ続きます。体育科のテコンドー部による演舞です。これが本当に高校生なのかと思う程、その身体能力の高さと技のキレ味に圧倒されました。
そして、この日の学校給食はいつもよりちょっぴり豪華で、日本語教師の先生方と一緒に楽しいランチタイムを過ごしました。
水里商工の運動会は毎回、地元の大勢の人が見学に来るそうです。そして翌日には新聞にも取り上げられるほど有名な行事です。生徒たちも学習の合間でよくぞあそこまで高いクオリティに仕上げてきたなと、彼らの努力には感心するばかりです。余談ですが通常通りの運動会は翌日に行われました。
このような学校の運動会に参加できたのも、日本語パートナーズだからこその貴重な体験であり、このご縁を頂いたことにありがたいなぁとしみじみ感じました。