派遣期間:2019年9月~2020年5月
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「新しい生活様式」が推奨される中、帰国した日本語パートナーズ(NP)として、派遣先の人々の役に立てることは何か——。
現地の学校に派遣され、生徒や教職員たちとの直接的な交流を通して日本を伝えるというNP本来の活動を行うことが叶わなくなった今、遠隔の地にどのように貢献することができるのか、日々模索してきました。4月初旬に避難一時帰国をして以来、台湾への再訪は未だ実現できていません。やむを得ない事情で任地を後にせざるを得なかったとはいえ、帰国時期は派遣校の新学期開始直後で予定していた活動が多く、私自身申し訳ない気持ちがありました。同時に、派遣校の先生方からも「非常に残念」、「もっと授業を聞きたかった」というお言葉を多くいただきました。以上の経緯から、オンラインでの学習支援を始めました。
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具体的には、テレビ電話を通じてリアルタイムで授業に参加したり、日本関連の資料を提供したり、学習者からリクエストのあった内容で日本語学習の動画を作成してYouTubeで共有したりしました。特に好評だったのは、「Q&A」です。生徒たちから日本語や日本文化、または私個人に対する質問を募集し、回答集を配布しました。
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
このようなオンラインでのやり取りは、初の試みだったため、試行錯誤の連続でした。また、学習者の反応が見えにくく、初めは本当に意味のあることなのかと自問自答を繰り返していました。しかし、次第に感謝の言葉をいただく機会が増え、帰国後に私が行ってきたオンラインでの学習支援の様子を、台南市のローカル新聞に掲載していただくという嬉しい出来事もありました。
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直接会えなくとも、あらゆるツールを最大限に活用することで、現地との協働は可能であると実感しています。また、NPが日本にいるからこそ伝えられる事柄も少なくありません。NPとしての任期は終了しましたが、今後も台湾の人々との交流を続けていきたいと思います。