みなさま、こんにちは。台湾・桃園市に派遣されている山本達也です。
「茶道体験」は多くの派遣先校で行っているポピュラーな文化体験です。桃園市立壽山高中でもこれまで前任のNP(日本語パートナーズ)が実施しています。やり方次第で奥が深いです。私は着任後2か月半の間に5回ほど実施しました。
壽山高中には、日本語を専門に学ぶ日本語実験クラスが設置されており、立派な日本文化教室もあります。
そして、茶道の道具も、茶碗、茶筅(ちゃせん)、茶杓(ちゃしゃく)、棗(なつめ)と、本格的な道具が揃っています。茶筅と棗は、日本語CP(カウンターパート)の先生がさらに新しいものを買い足しました。
環境や道具が揃っている中、初めて「茶道体験をして欲しい」とCP先生から言われたのは、着任後まだ2週間以内の頃でした。茶道自体未経験の私は、まだ心の準備が出来ていなかったため、プレッシャーを感じていました。
初めての茶道体験で緊張ぎみ
【準備①】
まず、NPの派遣前研修で行われた「茶道体験」を思い出し配布資料を見て、改めて何をどう伝えるのかを確認しました。(研修資料を持って来て良かった!)そのあとにインターネットでいろいろと確認しました。
【準備②】
1コマの授業時間50分で完結しなければいけないため、時間配分を考えました。説明して、見本を見せて、そして実際に体験して、最後に振り返るという流れです。どこで時間がかかってしまうか分からないため、時間をかけるところと流すところの強弱を付けるようにしました。
【準備③】
文化教室ではパワーポイントが使えないため、配布資料を作成しました。中国語での作成のため、伝えたいことをできるだけ簡潔に短い文章で作成することを意識しました。そのため時間がかかりました。そして、CP先生にネイティブチェックをしていただきました。
【準備④】
CP先生が資料を読んで録音してくださったので、それを聞いて練習しました。CP先生に感謝です。
また、CP先生と相談して決めたこだわりのお茶菓子(和菓子)や粉末抹茶を探して、買いに行きました。
【当日】
いよいよ本番です。1時間前から文化教室で道具を出して並べたり、抹茶粉末を棗に入れたり準備していました。そして生徒を招き入れます。靴を脱いで文化教室に上がり、座布団に座って……さあ「茶道体験」作動開始!
準備万端!
所作の確認(茶筅でこのように……)
茶道は、「一期一会」を大切にした主人と客人との精神の交流であること、主人は「おもてなし(中国語で招待之心)」の心を持って客人をもてなす、それを理解して客人はお菓子とお茶をいただく。これらが少しでも伝えられるように意識しました。
配布資料での説明の後、生徒に必ず「あなたがもてなす客人は誰ですか」と聞いて、書いてもらいました。
私は、親や先生を書く生徒が多いだろうと思っていました。ところが、一番多かったのは「友達」でした。最初は意外な感じもしましたが、今の高校生にとっての一番は友達なんですね。日本も恐らく一緒ですね(笑)。
もてなす客人は誰?
そしてCP先生と私がそれぞれ主人と客人になって所作の見本を見せました。
そのあと生徒2人1組で、主人と客人に分けて茶道の所作を行いました。とても楽しそう!
体験の最後は振り返りです。各道具の名前を確認した上で、「茶道で一番大切なことは何ですか?」と聞いてみました。
すると日本語で「おもてなし!」と言ってくれました。たぶん伝わっていると信じています(笑)。
次の週の授業時に、CP先生が生徒に茶道体験の感想文を書かせました。とても楽しく日本文化を学ぶことができたとか、日本文化に興味を持ったなどの声が多かったです。私への感謝の言葉もあって、とても嬉しかったです。
初めてCP先生なしで授業!そして感想文も
初回は緊張しましたが、回を重ねてくると慣れてきて、とても楽しい雰囲気で行うことができました。
みんな、ありがとう!