みなさま、こんにちは。フィリピン・セブに派遣されていた堀江涼子です。
派遣期間を終えて帰国してから2週間が過ぎますが、派遣先校最終日のお別れ会を思い出すと何か大事なものを忘れてきたような、そんな気持ちになります。みなさまに最終日の様子を少しだけ紹介したいと思います。
現地の日本語の先生は3人いて、私は6クラスを担当していました。最終日の授業は4時間あり、そのうちの1クラスは折り紙を紹介する予定になっていました。私は少し早めに学校へ行き、先生に「今日は最後なので日本の昔話をしましょうか。」などと提案した後、その日に行われる他のクラスの授業内容が気になり、別の先生のところへ行きました。
「今日はまとめの授業をします。今、生徒たちは健康診断に行っているから、私たちは少し遅れて教室へ行きましょう」
この前も健康診断があったなと思いながら朝9時に教室へ行くと、扉の陰に隠れていた中学2年生の生徒たちが一斉に顔を見せ、中央のテーブルには生徒たちが持ち寄った代表的なフィリピン料理が並んでいました。次々と歌や踊りを披露してくれ、感謝の言葉とともにたくさんの手紙やセブ土産をもらいました。先生ぐるみのこのサプライズには本当に驚き、すぐに言葉が出ませんでした。
朝10時、教室が片付くのを待って次のクラスのお別れ会が始まりました。司会進行やプログラムは全て生徒主導で行われ、ボーイスカウトに所属し、クラス委員でもあるいつもクールなK君が泣きながら歌を歌ってくれる姿に胸がいっぱいになりました。
午後の授業は2時間、4クラスありました。「午後の授業にサプライズはないですよね」と担任の先生に尋ねると、「どうでしょう」とはっきりしません。やはり、午後もサプライズは続きました。最後なので何とか4クラス全てにお別れを言いたいと思いましたが、生徒主導のお別れ会ですから、思うようにはいきません。
テーブルの上に広げられたご飯を私と一緒に食べようと、別の教室で私の到着を待っていたクラスがありましたが、結局行くことができず、最後の時間を迎えてしまいました。最後の時間は2クラス合同でお別れ会をしてくれました。私の到着を待っていた1クラスが気になり、担任の先生と教室へ向かうと、教室の真ん中に広げられたご飯は手付かずの状態で、生徒たちはそれを取り囲むように座り、次の歴史の授業を受けていました。授業は中断され、そこからお別れ会が始まりました。
春巻きでLOVEと書かれている
生徒の一人がギターを弾き、全員が歌いながら教室に入るところから始まりました。そして、私にご飯を食べるように勧めてくれます。私が食べるのを確認したあと、生徒たちがものすごい勢いで食べ始めました。生徒たちはお昼ご飯を食べないで2時間も待ってくれていたのです。この純真な生徒たちの気持ちがとても嬉しく、思わず涙が溢れました。その日の合言葉は「また会える日まで」でした。生徒たちと互いにこの言葉を交わし、再会を誓って学校を後にしました。