日本語パートナーズ短期派遣事業は、派遣先ごとに異なるニーズに対応するため、地域・対象者等を限定したうえで募集を行っております。
今回の東ティモール短期(2024年度)では、過去に日本語パートナーズ(以下、NP)として長期で派遣された経験を持つ方々の中から選考を行い、6名1グループとして派遣し、ディリ近郊の中等教育機関や日本語教育機関等で、日本に関心を持つ生徒や、日本語を学ぶ学生等との交流を深めました。
日本語パートナーズ東ティモール短期(2024年度)
岡田麗央奈、加藤稚菜、汲田薫、坂下咲椰、滝知里、三好和子
皆さん、ボタルディ(テトゥン語でこんにちは!)
私たちは、東ティモール短期(2024年度)NPです!
まずは、「東ティモール民主共和国」についてご紹介します。
日本の南、オーストラリアの少し北にある小さな島国で、日本の一都三県の合計面積とほぼ同じ広さの国土に約134万人が住んでおり(2022年時点)、その約99%がキリスト教徒です。首都はディリで、公用語は「ポルトガル語」と「テトゥン語」です。2002年に独立したアジアで最も若い国で、手つかずのきれいな海等の大自然と、穏やかで明るい人々が魅力の素敵な国です。日本企業の進出も始まっているので、今後日本とのつながりもますます強くなりそうです。
私たちは、そんな東ティモールを、2024年12月1日から9日にかけて訪問し、私立中高一貫校2校、国立大学1校、日本語教育機関3校で、日本語や日本文化を伝える活動を行いました。
クリストレイ付近の海岸で人文字(TIMOR)
派遣先校での活動の様子・内容
日本語未習の中高一貫校2校と大学では、主に日本文化紹介を行いました。
具体的には、まずじゃんけん大会を行なった後、NPで分担して「折り紙」「書道」「浴衣体験」「つまみ細工」のブースを設置し、生徒には好きなブースを選んで体験してもらいました。生徒たちは大喜びで、作った物や浴衣姿等の写真をスマートフォンで撮り、SNSに投稿していました。さらに大学では、「日本の大学生の1日」を現役大学生のNPが紹介し、質疑応答も盛り上がりました。
また、日本語既習の日本語教育機関では、最初にNP1人に対して生徒5~10人のグループに分かれ、生徒たちに日本語で自己紹介をしてもらいました。その後のひらがなが1文字ずつ書かれたカードを用いたかるたでは、読み上げられた単語を見つけたグループから次々と歓声が上がり、中には踊りだす生徒もいて、とても盛り上がり、おなかが痛くなるほど笑いました。最後に、「じんせい」「かみひこうき」等、学んだ単語が出てくる日本の歌をみんなで歌いました。
日本語教育機関で盛り上がったかるた大会
活動で工夫をしたこと、苦労したこと
準備段階では情報が少なかったので、現地で活動に必要なものを調達できなかった時のことを想定して、日本からさまざまなことを準備していきました。例えば、スケッチブックを用意し、絵を貼り、スライドの代わりとしました。さらに、予め代替案を想定しておく等、過去のNPの経験をフル活用しました。想定外のことが起きてもこのメンバーなら乗り切れる!と全員が感じ、お互いへの信頼感が強くなっていきました。
さらに、東ティモールに渡航するのが6回目、というメンバーがいたことも大きかったです。過去の経験の共有、現地での通訳等、本当に助けられました。
印象に残ったこと、気付きがあったこと
歓迎の踊り、伝統的な織物である「タイス」等、全てが印象的でした。
その中でも一番驚いたのは、就業目的で日本語を学んでいる学習者がとても多かったことです。複雑な言語環境、高い失業率等、解決して行かなければならない課題がたくさんありますが、私たちができることは何なのか、考え続けたいです。既に行動を起こしているNPもいます。今回限りで終わらせず、長くかかわり続けたいと思います。
中高一貫校での、歓迎の踊りでの出迎え
この活動を今後どのように活かしていきたいか
各メンバーの想いを紹介します。
「SNSやオンラインで、現地の日本語学習者が日本語に触れる機会を増やしたい。また、東ティモールの言語についてもっと知りたい」
「就職してから日本語教育に携わるのがなかなか難しかったが、今回は短期だったので参加できた。帰国後、本業の中で報告会を行ったりもしたが、経験を本業にも活かしたい」
「小さなことでも自分ができることから1つずつ、大好きな東ティモールと日本を繋げられるようなことをしていきたい。まずは「日本語」を通して活動したい」
「今回知り合った方たちとのオンライン交流から始め、友人に、知り合いにと、その交流の輪を広げたい」
「日本語教育を通じた支援プロジェクトを展開したい。また、現地の日本語教育支援にも継続的に携わり、より多くの方々に両国を身近に感じてもらえるよう努めたい」
「知り合った方々に、私の立場でできることを、細く長くずっと続けていきたい。また、他の5人のメンバーから学んだ、しなやかでパワフルな行動力も忘れずに、今後の人生に活かしたい」
中高一貫校で、作品と一緒に笑顔でピース!
東ティモールの醍醐味、面白さ等
醍醐味は、「無限の可能性」でしょう!この国には、多くの子どもたちがいます。彼らがどのように国を発展させていくか、明るい未来を皆さんと一緒に見守っていきたいです。