みなさま オーム スワスティアストゥ(Om Swastyastu)(バリ語で「こんにちは」)。インドネシア・バリに派遣されている谷です。
今回は私の派遣先校を紹介します。朝の授業は7時30分から始まるため、だいたい7時過ぎに生徒が登校します。日本と違い、電車やバスといった公共交通機関が限られているため、生徒はバイク通学をすることが多いです。
私は、車(一般車両を使用した配車サービス)を利用しています。この日は渋滞もなく朝7時過ぎに学校に到着しました。すると校門の前に生徒が数名立っていて、そのうちの一人の生徒は手に箱のようなものを持っていました。気になったのでインドネシア語で何をしているのかを質問すると、スマホの翻訳アプリを使って答えてくれました。
校門の前に立つ生徒会の生徒たち
彼らは「OSIS(オシス)」という日本の生徒会のような組織に所属する生徒たちで、登校する生徒の服装チェックをしているということが分かりました。
箱の中身が気になり、さらに質問したのですが、翻訳アプリではうまくコミュニケーションが取れません。困っていると後ろから流ちょうな日本語で声をかけられました。振り返ると一人の生徒が立っていました。同じ制服を着ているので、この学校の生徒のようです。「どうして日本語ができるのですか?」と尋ねると「私は日本人です。父がインドネシア人で母が日本人です」と答えてくれました。
彼の説明によると、「箱の中身は女子の髪を結ぶリボンで、その色が学年や曜日、そして特別な行事により決まっており、それを忘れた生徒のために販売している」とのことでした。
リボンが入っている箱
リボンを購入する生徒
このとき私が感じたのは、日本語で内容が理解できた安心感と感謝の気持ちでした。でも、今回のように日本語ができる人が周りにいるとは限りません。私の場合、この国で数か月生活しておりインドネシア語を勉強したこともあります。だからもう少し短く、簡単な単語を使って話してもらえたら、大体の内容は理解できるかもしれません。
もし日本でこのような場面に遭遇したら、言葉で困っている人々の不安を少しでも解消できるよう、恩返ししていきたいと強く感じました。ただし、自分が対応できる言語には限りがあります。もし相手が、既に日本で生活しているか日本語学習者であれば、やさしい日本語(外国人や子ども、高齢者等さまざまな人にわかりやすいように配慮した日本語)を使ってみようと思います。相手も知っている日本語を使ってコミュニケーションが取れたという達成感を持てるのではないでしょうか。ぜひ、みなさんも、困っている人を見かけたら、相手の言語や英語だけでなく、やさしい日本語でコミュニケーションをとってみてください。