みなさんこんにちは。タイ・イサーン(東北地方)のサコンナコーン県に派遣されております、坂﨑茉生です。
2月の任期終了を目前として、10か月過ごしたこの土地について、ご紹介したいと思います。
サコンナコーン県はバンコクから飛行機で1時間ほどの場所にあり、大きさはほぼ青森県と同じくらいです。サコンナコーンの名産は藍染めの布です。伝統技術によるインディゴ染めで、これを使ったドレスやスカート、バッグ等は県内外の多くの人に愛されています。派遣先校では曜日ごとに決められた、推奨される服装があり、毎週金曜日はこの藍染めの服を着ることになっていました。
さまざまな染め方や模様があり、華やかかつ上品な藍色が町を染める
私は、サコンナコーン県の18ある郡のうち、アーカートアムヌアイ郡という場所にいました。ここは県庁所在地から車で約1時間、ラオスと国境を接する隣県ナコーンパノムとの県境です。県庁所在地周辺には小さなショッピングモールや観光地がありますが、そこから離れたアーカートアムヌアイにはありません。私の自転車行動圏内にあるのはコンビニエンスストアが2軒、スーパーが1軒のみです。しかし日々の生活にはそれほど困ることはなく、日用品は2軒あるバーツショップ(タイの均一ショップ)で揃い、コンビニとスーパーのデリバリーが利用できたので、非常に快適な暮らしでした。
県庁所在地へ行くためのバス。所要時間1時間半以上。1日に5~6本程度
ここでの生活が毎日幸せだったのは、親切な友人のおかげです。7月のある日、ソムタム(青パパイヤのサラダ)を買いに店へ行くと、そこに座っていた方に「座って。一緒に食べよう」と突然言われました。それからずっと毎週、毎日のように一緒にソムタムを食べました。また、9月のボートレースと先祖の霊を送る祭り、11月のロイクラトン(灯籠流し)、12月の年納めの祭り等、地域の祭りにも誘ってくれ、この土地の文化をたくさん教えてくれました。
ソムタム屋の店主(男性)と友人、左端筆者。ソムタムはおすすめ・お任せで「いつもの」味付け
町を歩いていると、いつも「どこ行くの?」「誰と来たの?」と声をかけられます。これには町のみんなが知り合いで、常に声を掛け合い支え合う、田舎の温かさを感じます。派遣されてはじめて来たときからずっと、故郷にいるような安心感に包まれて生活してきました。必ずまた帰ってくる、そう誓って「いってきます」。