みなさま オーム スワスティアストゥ(Om Swastyastu)(バリ語のあいさつ)インドネシア・バリに派遣されている谷です。
今回は2月に私の派遣先校で実施した「福笑い」を使った日本文化の授業を紹介します。最初に顔の名前の日本語を伝えました。その後に「目」のパーツを見せ「これは何ですか?」と生徒に聞くと、なぜか「眉」と答える生徒が何人もいました。確かに細いので「眉」に見えたのかもしれません。その後、他の部分の名前と、上下左右の言い方も練習し、代表の生徒に前に来てもらい、全員でやってみました。その時できた顔はちょっと面白い顔でした。
ちょっと面白い顔
その後、グループに分かれて福笑いを実施しましたが、「目隠し」をするために使用する物の指示はしませんでした。すると、生徒たちは自分で考え、「ノートで隠す」「服を被る」「制服のネクタイを使う」「目をつぶる」「クラスメートが手で目隠しする」等、さまざまな方法で対応していました。
服で目隠しする生徒
また、この遊びを通して、日本語で方角を言う練習することが目的だったので、正しい位置に顔のパーツを置くことが正解とも伝えませんでした。そうすると、生徒たちは自由な発想で、いくつものユニークな顔ができあがりました。
本で目隠しする生徒が作る面白い顔
上下逆にしたことでまったく別の顔ができた
一方、別のクラスで実施した際、顔のパーツについてどこに置くのが正解か説明しました。すると出来上がった顔はどれも正解に近いものでした。
正しい位置に顔のパーツを置く生徒
このことから、文化を正しく伝えることは重要ですが、正解を教えるのではなく、生徒が楽しく興味を持ってもらうきっかけ作りとしての、NP(日本語パートナーズ)の活動の方が、より自分が伝えたいものであると気づきました。
インドネシアに派遣されて個人的に感じたことですが、あまり細かいことが決まっていないことで、逆に自由な発想が生まれ、柔軟に対応することができる。その一方、日本ではマニュアル通り実施することで、均一なサービスを提供することが可能となる。決してどちらが良いというわけではないですが、みんな違っていてそれでよい。つまりこれが笑顔の秘訣なのかもしれません。
今月でNPとしての約7か月間の活動は終了となりますが、帰国後はこれまでの経験を活かし、日本とインドネシアやそれ以外の人々が、一人一人の特徴や個性を尊重しあい、共生できるよう支援する活動に携わりたいと思います。またそれと同時にインドネシアの生活や文化について、日本にいる人たちに少しでも伝えられたらと思います。私たちNPを支援し、また受け入れてくださった学校関係者の皆さん、そして出会ったすべての方に心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います。スクスマ(Suksma)(バリ語でありがとう)。