Xin chào! こんにちは!ベトナム・ビンズオンに 派遣中の海崎です。
ベトナムには有名な焼き物があります。北部バッチャン焼き、南部ソンベ焼き。陶器好きの私は、まずは南部のソンベ焼きのお店や窯元に行ってみたいと思っていたのですが……。
灯台下暗し。なんと、ビンズオンは昔ソンベという地名、つまりソンベ焼きの地元に私は住んでいたのです。また、ビンズオン新都心のホームセンターでひとめぼれしてカップを購入したのですが、それが、ソンベ焼きだったという……。ソンベ焼きを現代のライフスタイルに合わせて提供しているブランドのものでした。知らないうちにソンベ焼きとご縁ができていたわけです。
初めて購入したカップ(右)
その後、ソンベ焼きのショップで購入したカップ(左)
ソンベ焼きの魅力は、まずは土の色。焼き上がりが、温かみのある明るいベージュ。手描きの絵付けは、花、鳥、魚、シンプルな模様等。タッチも素朴で自由。一つとして同じものがありません。沖縄の器、やちむんに少し似ているかもしれません。普段の生活を温かく華やかにする、日常の一コマを幸せにしてくれる、そんな器たちです。
先日、前から気になっていた工房、vườn Nhà Gồm studioへ行ってきました。小さな鶏の陶器に絵付け。ソンベ焼きのモチーフのチャボが闊歩している中、マインドフルな世界に没入。心豊かな時間でした。
工房を自由に闊歩するチャボ(Gà tre)たち
鶏の陶器に絵付け
ベトナムチャボのカップ(左)
ビンズオンは陶磁器の街。小学生が描いたビンズオンのイメージを陶器に(右)
因みに北部のバッチャン焼きは、ハノイ郊外にあるバッチャン村で作られています。こちらは繊細な絵付けで、青や藍色のシックな色あいのものから、菊や蓮をあしらった華やかな赤のものまであります。また、建物自体が焼き窯のようなバッチャン陶芸博物館では、バッチャン焼きの歴史を知ることができます。屋上では、美味しいお茶をいただきながら眺望も楽しめる、とても素敵なところでした。
バッチャン陶芸博物館
ソンベ焼き、バッチャン焼き、それぞれの良さがあります。また、陶芸からベトナムの文化、歴史を垣間見ることもでき、器ひとつで世界が広がっていく気がします。
さて、私が絵付けした鶏が、どんな風になって戻ってくるのか、楽しみです。日本に連れて帰って、時々眺めては、工房での静謐な時間を反芻したいと思っています。