最新情報はこちら 最新情報はこちら

すべてに感謝

こんにちは!台湾の南投県に派遣されている大場淑美です。

私が初めて派遣先校「国立水里高級商工職業学校」(通称:水里商工)に来て、「みみ先生」と呼ばれるようになってから9か月が過ぎ、あっという間に帰国間近となりました。水里商工は南投県水里郷という山あいの町にあります。大都市との地方格差や過疎化、日本人に会う機会が全くない環境等、台湾の他の都市部にはない逆境の中、先生方の日本語と日本文化に対する熱心な指導に感銘し、生徒たちのひたむきさに心動かされる毎日でした。

真剣に授業に参加する1年生(日本でいう高校1年生)の生徒

水里商工応用日本語科で学ぶ生徒たちは、國中(日本でいう中学校にあたります)卒業時に、将来は日本語を使った仕事をしよう、そのために日本語を勉強しようと高い志を持ってこの学校に入学してきました。私が中学生のときに、生徒たちのような選択ができたかと思うと、若くして将来を見据えた彼らの決断は本当にすごいと感じます。

日本語で観光地を案内する授業に参加する2年生(日本でいう高校2年生)の生徒

都市部で開催されるコンテストに出場するために、前の日から学校に泊まり込み早朝6時に出発したり、生活のために休み時間に学校内でアルバイトをしたり、家庭の事情で学校が終わってからも毎日アルバイトに行かなければならない生徒がいたりと、さまざまな困難に遭遇しても、それぞれの環境の中で精いっぱい努力する生徒たちを見ていたからこそ、私も10か月間頑張ることができたと思います。

日本語関連のコンテスト前日、夜遅くまで練習する3年生(日本でいう高校3年生)

私は幼い時から特別秀でたものがなく、普通と言われ続けた自分の平凡さを変えたいと考え日本語パートナーズの活動に参加しました。しかし今は平凡であることのありがたさ、普通といわれることの尊さを実感しています。普通に学校に行けること、普通にごはんが食べられること、普通に家族や友達と笑い合えること、どれもとても尊いものだということは、日本にいたら実感できないものでした。

和太鼓のクラブ活動。台中でのパフォーマンス後の様子

教えることよりも、教わって学ぶことの方がずっと多かった10か月間。「ありがとう」という言葉だけではとても足りそうにもありません。ともに過ごした水里商工の生徒たちに明るい未来が待っていることを心から祈っています。

応用日本語科全員で撮影
PAGE TOP