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通じ合う、日本祭の舞台裏

こんにちは。タイ・ロッブリーに派遣中の田中智恵子です。

8月下旬、派遣先校で「日本祭」が開催されました。高学年(日本でいう高校1年生~3年生)の生徒たちが中心となり、日本の夏祭り風の屋台が立ち並びました。お好み焼きやたい焼きの屋台コーナー、折り紙や箸で小豆を運ぶといった文化体験コーナー、さらにお弁当コンテストや生徒たちによるパフォーマンス等、どの出し物も盛り上がりを見せました。

屋台の様子

一部の生徒たちは朝早くから集まり、コスプレのメイクに取りかかっていました。時間が経つにつれ、日本のアニメキャラクターへと次々に変身していきます。

コスプレイヤー

日本祭そのものも大変楽しかったのですが、それ以上に心に残ったのは「お祭り準備での出来事」でした。のぼりを掲げようと旗を持ってきたものの、旗を広げるための棒がありません。すると現地の日本語の先生が「棒は竹で作ったよ」と教えてくださったので、私は生徒たちに「竹、バンブー」と伝えました。すると生徒たちは「あぁ~」と言って竹を持ってきてくれましたが、それはただ葉を落としただけの竹でした。

日本祭のぼりと舞台

そこから、私と約8名の男子生徒による「のぼり作り奮闘物語」が始まりました。言葉はほとんど通じません。私が発したのは「あれ」「これ」「ふんっ」「トォー」等、ほんの数語だけ。しかし、ジェスチャーを交えることで、生徒たちはしっかりと意図をくみ取ってくれました。ちなみに「ふんっ」は「(竹を)紐で縛る」、「トォー」は「(竹を)切る」という意味です。逆に、生徒たちが私に伝えたいことも、なぜか理解できました。

言葉が足りない時間ではありましたが、意思疎通ができているような不思議な時間でした。気づけば、少し学生に返ったような気持ちで、お祭りの準備に夢中になっていたのです。言葉を越えて心がつながる──そんな喜びを胸いっぱいに感じた時間でした。

Writer
タイ ロッブリー
田中 智恵子さん

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