こんにちは。マレーシア・ケダ州に派遣されております望月恵です。
派遣期間も終わりに近づき、最近は住居からケダ州の美しい夕日を眺め、黄昏れることが多くなっています。
文化紹介を行う際には、必ずその文化に関わるルールや礼儀作法もあわせて伝えるようにしています。今回は同期のNP(日本語パートナーズ)が手伝いに来てくれたことをきっかけに、「習字」に挑戦することになりました。
最初に道具の名前を確認しました。学校にあったのは筆・半紙・墨汁のみで、習字セット一式はそろっていません。そこで、実物を見せながら視覚的にも理解できるようにし、ホワイトボードに道具の名前を書いて文字で確認し、皆で発音を練習しました。
次に道具の並べ方を説明しました。まず机に紙を敷きました。筆置きがないため、紙で箸置きを作り、代用品として使いました。半紙の向きや置き方を伝え、文鎮がないので筆を持たない手で紙を押さえること、そして墨汁は服に付くと落ちにくいので注意が必要であることを説明しました。
続いて筆の持ち方です。良い例と悪い例を実際に筆を使って示し、生徒たちにも筆の代わりにペンで練習してもらいました。その際、できるだけ筆を立てて書くように伝えました。
書くときの姿勢についても説明しました。机と背中が平行になるよう背筋を伸ばし、背もたれにもたれずに書くように話し、ここでも良い例と悪い例を実演しました。
最後に筆の洗い方です。筆を傷めないよう、筆先に直接水流を当てないことを伝えました。
生徒たちが書いた文字は学年によって異なり、最近習ったばかりの漢字や間違えやすいひらがな、また覚えてほしい文字をCP先生(現地の日本語の先生)が選んで用意しました。実際に筆を取る前には、書き順を確認するために空書きを何度か行いました。そのため、いざ墨をつけて書く頃には、生徒たちの表情にやや疲れが見える場面もありました。
書く時間自体は短かったものの、正しい書き順を身につけていたおかげで、初めてでも丁寧で美しい字が書けていたように思います。最後の10分間で筆を洗い、今日説明した一連の流れを1時間の授業内で無事に終えることができました。
予定通りに進行できたのは、同期のNPの協力があったこと、そしてCP先生が日頃から生徒にきちんとした指導を行っている成果であると感じました。