サワッディーカー(タイ語でこんにちは)。タイ、バンコクの学校に派遣されている加藤千代香です。
11月5日、タイではロイクラトンという仏教の行事がありました。アパートからBTS(タイの高架鉄道)の駅に行く途中の公園では、当日の2週間ほど前から池の水を入れ替え、道にはテントが立ち始めました。電飾もつけられ夜の雰囲気が一変しました。
タイのロイクラトン祭りは水の祭典とも呼ばれているそうです。「ロイクラトン」とは、灯籠(タイ語でクラトン)を川に流す(タイ語でロイ)というタイの人々の間で古くから続いていた風習です。河川の水位がもっとも高く、旧暦12月(現在の10月または11月)の満月の夜に人々が川岸に集まり、川の女神“プラ・メー・コンカー”へ感謝の気持ちを捧げます。地方により形式が異なりますが、バナナの幹や葉等で模った灯籠の上にロウソクと線香を立て、川に流したのが始まりだそうです。
11月4日、ロイクラトンの前日に、派遣先校でクラトン作りをしました。放課後に、ほかの先生方とともに家庭科の先生に教えていただきながら作りました。バナナの茎を土台にしてバナナの葉を形作り、巻いたり載せたりしました。花を飾って、最後はロウソクと線香を立てて完成です。バナナの葉をたたむのは日本の折り紙の要領によく似ています。しかしあまりうまくいかず、こじんまりしたものとなりました。
翌日、朝礼の後で先生方が校内の池にクラトンを流す時間があったので、参加させていただきました。先生方はお願いごとをしながらクラトンを水に浮かべていきました。私も作法はよくわからなかったのですが、同じようにクラトンを水に浮かべました。本来なら自分の髪や爪をクラトンに載せて、悪いことを流すとのことです。
夜は先述の公園に、生徒とともに行きました。驚くほどの人出で、クラトンを池に浮かべるには行列に並んでしばらく待たなければなりませんでした。クラトンはいろいろな大きさや形のものが売られていました。日本で灯篭流しをしようと思っても、こんなに身近には催されていません。バンコクの街中でもいろいろな場所で開催されているロイクラトンはタイの人にとって大切な行事だと感じました。

















