日本語パートナーズ派遣事業(短期派遣プログラム)は、派遣先ごとに異なるニーズに対応するため、地域・対象者等を限定したうえで募集を行っています。
今回のブルネイ短期(2025年度)では、過去に日本語パートナーズ(以下、NP)として長期で派遣された経験を持つ方々の中から選ばれた7名をグループとして派遣し、首都バンダル・スリ・ブガワン市内およびその近郊の中等・高等教育機関や日本語教育機関等で、日本に関心を持つ生徒や、日本語を学ぶ学生等との交流を深めました。
ブルネイ短期(2025年度)活動スケジュール
日本語パートナーズ ブルネイ短期(2025年度)
春日井洋子、佐藤彩羽、関尚恵、西川みき、西脇光子、浜桐陽子、松永真一
Selamat tengah hari!(スラマットゥンガハリ!マレー語で「こんにちは!」)
私たちブルネイ短期(2025年度)は、8日間で10校派遣というタイトで濃密なスケジュールの中、NP活動を重ねるごとに、まるでジグソーパズルがピタっとはまるようにベストチームへと成長していきました。今回のメンバーは、ITに強い、文化交流活動に精通、ティーンエイジャー心理を熟知、美しい書で参加者を魅了、ブルネイにゆかりがある、即興で場を盛り上げてくれる、アート好き等、それぞれの多様な個性を活かし、自分たちができるベストな活動を追求し、短い活動期間の中で、総勢600名もの生徒たち、そして250名を超える先生方と、双方向の異文化交流を行うことができました。
派遣先校での活動の様子・内容
ブルネイでの日本語パートナーズ短期派遣は今回で4回目ということで、これまでの活動実績を参考にしながら、評判の良かった伝統文化体験の活動実施を継承しつつ、現代的なアートやアニメ・マンガ等の新たな要素を取り入れた日本文化紹介に挑戦しました。
日本のファッションをテーマにした「浴衣・法被・制服」の紹介では、まずミニクイズで生徒たちの興味・関心を引き出し、その後、グループに分かれて着付け体験を実施しました。最後には参加者全員で大きな輪になって「Bon Odori」を踊り、会場はまるで本物の夏祭りさながらの活気と一体感に包まれました。初めは恥ずかしがっていた生徒たちも、見よう見まねで少しずつ振り付けを覚え、「ヨヨイノヨーイ!」という掛け声と手拍子で大盛り上がり!踊り終えた後の達成感に満ちた笑顔、大きな拍手、そして会場に広がった高揚感は、参加者全員にとって忘れられない瞬間となりました。
また、書道体験では、ただ文字を書くのではなく、漢字の意味や読み方を紹介したうえで、一文字一文字に思いを込めて書いてもらいました。その後、NP手作りの消しゴムハンコや和柄シールでデコレーションを加え、世界に一つだけのオリジナル作品を完成させました。同様にアートの要素を取り入れた「和紙染め」や「筆ペン書道」でも、一人ひとりの個性が光る作品が生まれ、形に残る素敵な思い出作りができました。
活動で工夫したこと、苦労したこと
活動の中で私たちが特に意識したのは、その場にいる誰もが楽しめる環境をつくることでした。「書道・茶道・浴衣」といったメイン活動の事前準備や段取りに加え、順番待ちの時間も有意義に過ごせるよう、「アニメ・マンガのエフェクト背景を使ったフォトブース」や「お正月遊びブース」を設け、生徒たちが自由に楽しめる工夫をしました。
その結果、生徒・先生合わせて最大170名という予想以上の参加者が集まった学校でも、限られた時間と人員の中でメンバー同士が柔軟に役割を分担・連携し、滞りなく円滑にすべての活動をやり遂げることができました。
また、今回は活動した学校数が多く、体力的に厳しい場面もありましたが、メンバー一人ひとりが「より良いNP活動」を目指して日々改善点を考え、自発的に行動できたこと、そして現地の先生方の献身的なサポートのおかげで、7名全員で最後まで走り切ることができました。
気付きがあったこと、印象に残ったこと
ブルネイってどんな国?
「石油や天然ガスが出る国?」
「なんかお金持ちだって聞いたことがある……」
多くの方の持つイメージは、こんな感じではないでしょうか。私たちNPも同じでした。
しかし、百聞は一見に如かず。訪ねるところ先々で、予想以上のおもてなしを受けました。笑顔いっぱいの出迎えに始まり、アンブヤット等の伝統料理や何種類ものデザート。ココナッツダンス等の民族舞踊や、楽器演奏といった伝統文化のパフォーマンス。すべてを一緒に楽しもう、楽しませようとする温かい先生や生徒たちに囲まれ、日に日にブルネイを身近に感じられるようになりました。そして、多くの心遣いに支えられ、私たちは自然と「日本をできるだけ伝えたい、一緒に楽しく過ごしたい」と思うようになりました。
これまでのブルネイ短期派遣の先輩方が紡いでくれた功績なのでしょう。ブルネイの方々は、私たちNPとの交流を通して、互いの文化を伝え合い、素敵な関係を築きたいという大きな期待を寄せているのを感じました。実際、派遣中に私たちの訪問先での活動が現地メディアで複数回報道されたのも、その表れなのではないかと思います。
この活動を今後どのように活かしていきたいか
私たちはブルネイで得た経験を今後に活かすため、まずはSNSを通じてその魅力を継続的に発信し、より多くの人々に関心を広げていきたいと考えています。
ブルネイの人々は仕事のためというよりも、趣味や教養の一環として日本語や日本文化を学んでおり、近年は日本への旅行者も急増しています。今回の派遣を通じてできたご縁を大切にしながら、相互理解を深める交流を今後も続けていくことが、大切な一歩だと考えています。
具体的には、ブルネイ文化の紹介やコミュニティ・学校とのオンライン交流を組み合わせ、多文化共生社会をテーマとした講義や企画を展開する等、ブルネイとの繋がりを持ち続けていきたいと思います。NPの一人である高校教諭は、まずはオンラインでの文化体験から始め、将来的にはブルネイへの海外研修も企画・実現ができればと、あれこれ夢を膨らませています。私たちNPの活動が、国境を越えた学びの場を広げ、未来の教育へと繋がっていくことを強く願っています。
ブルネイの醍醐味、面白さ等
派遣期間中は毎日NP活動がありましたが、首都バンダル・スリ・ブガワンとその周辺にはさまざまな観光スポットが集まっており、限られた時間の中でも多くのブルネイ文化に触れることができました。
博物館や壮麗なイスラムのモスク、ナイトマーケットを訪れたり、水上集落周辺で釣りをしている現地の方と言葉を交わしたりする機会もありました。初対面の私たちに対しても、微笑みながら穏やかに接してくれる姿から、ブルネイの人々の温かさとおおらかさを強く感じました。
また、国土の約70%が森林という自然豊かなブルネイ。イスラム教を柱にした王国ですが、誰に対しても、どんな文化に対しても、寛容で包容力のある素晴らしい国です。
私たちは8日間の派遣でさまざまな文化交流を行い、つい先日帰国したばかりですが、今もうすでに再訪し、この国をもっと味わいたい気持ちでいっぱいです。今回繋がることのできた先生方や生徒たちとの関係性を今後より一層深めていくことはもちろんですが、「未知なるブルネイの魅力を日本にどんどん発信していきたい」そう心に誓ったNP7名なのでした!















