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日本語パートナーズ短期派遣-インド短期(2025年度)活動報告-

日本語パートナーズ派遣事業(短期派遣プログラム)は、派遣先ごとに異なるニーズに対応するため、地域・対象者等を限定したうえで募集を行っています。

今回のインド短期(2025年度)では、過去に日本語パートナーズ(以下、NP)として派遣された経験を持つ方々の中から選考を行い、6名1グループとして派遣し、デリー及びマハラシュトラ州ナーグプルの中等教育機関等で、日本語を学ぶ生徒等との交流を深めました。

インド短期(2025年度)活動スケジュール


日本語パートナーズ インド短期(2025年度)
菊間由佳、木村紗彩、髙橋智佳、根橋妙子、安ケ平菜都子、山本泉里

皆さん、ナマステ!(ヒンディー語で、こんにちは!)
私たちインド短期(2025年度)は、2025年7月29日~8月7日までの10日間、デリー及びマハラシュトラ州ナーグプルにある中等教育機関、そして国際交流基金(以下、JF)ニューデリー日本文化センターを訪問し、活動を行いました。

デリーでは日本の浴衣(左)、ナーグプルではインドの被り物を着用(右)

派遣先校での活動の様子・内容

デリーでは、2校にて日本文化紹介を行いました。対象は小学4年生から高校1年生までで、NP6人を3人×2組や2人×3組のチームに分け、それぞれが活動を担当しました。
「日本の夏」と「日本の遊び」をテーマに掲げ、浴衣の着付け体験や金魚のストラップ工作のほか、書道で日本語を書いたり、日本語の歌を歌ったりする等、「日本語を使ってみる」活動を盛り込みました。生徒たちはどの活動にも真剣に取り組み、笑顔で楽しんでくれました。

活動の様子:書道(左)と、じゃんけん(右)

また、今回はインド中西部にあるマハラシュトラ州ナーグプルにも訪問しました。ゆったりと落ち着いた雰囲気のある町で、首都のデリーとはまた違った魅力を感じました。
ナーグプルの2校では、「日本とインドの似ているところ・違うところ」と「日本の夏」をテーマに日本文化紹介を行いました。中高生を対象に、よさこい踊りや折り紙といった体や手先を使う活動、日本とインドの文化の比較、日本語で名札や短冊を作る活動などを実施しました。キラキラした表情の生徒たちを見て、ここまで準備してきた甲斐があったと感じました。

最終日にはデリーへ戻り、JFニューデリー日本文化センターにて、JF日本語講座の受講生に日本の伝統やマナーを紹介し、その後、一緒に水引づくりに挑戦しました。日本語で会話したり、逆に水引づくりが得意な受講生にNPが教わったりと、楽しく有意義な時間となりました。

活動の様子:名札づくり(左)と、よさこい踊り(右)

活動で工夫をしたこと、苦労したこと

一つの学校の中でも、体を動かす活動から座って聞く活動まで、さまざまなタイプの活動を組み合わせました。短い時間の中でも多様な日本文化に触れられるようにしたほか、それぞれのNPが持つ特技を活かせる場にもなりました。
また、参加者の年齢や日本語レベルに合わせ、語彙や話し方を工夫しました。「英語でしっかり伝えたい」という気持ちと、「せっかく日本人がいるのだから、生の日本語を聞いてほしい」という思いの間で、バランスをとるのが難しい場面もありました。
さらに、他のチームの活動が長引いたため追加の活動をその場で考えたり、機材トラブルでスライドが映らなかったり等のハプニングも発生。その際は、インドの「ジュガール(限られた資源で即興の解決策を生み出す精神)」を思い出し、チーム全員で協力して乗り越えることができました。

印象に残ったこと、気付きがあったこと

訪問したすべての学校で熱烈な歓迎を受けました。インドの伝統文化の披露のほか、日本語の歌やダンス、寸劇、スピーチ等、日本文化への興味や好意が感じられるものでした。普段は日本人や日本文化に直接触れる機会がほとんどない中で、これほどポジティブに受け止めていただいていることに感動しました。
また、派遣先校の先生から町のお祭りの太鼓練習に誘っていただき、インドの方々と一緒に楽器を演奏する体験もできました。インド文化の魅力や人々の温かさを改めて感じる貴重な時間となりました。

学校でのウェルカムセレモニー:歌(左)と、踊り(右)

この活動を今後どのように活かしていきたいか

今回の派遣を通して、人的交流の大切さを改めて実感しました。今回の交流の成果がいつどこで形になるかは分かりませんが、この経験や思い出が、日本とインドを繋ぐ小さなきっかけになると信じています。在留外国人が増える日本でも、ネットに流れる偏見に惑わされず、まずは「歓迎する姿勢」で関わることが大事だと感じました。
また、在インド日本国大使館を表敬訪問した際、小野大使がおっしゃった「日本人とインド人は、お互いに補い合える関係を築ける」という言葉が、特に心に残っています。実際に、今回の派遣でその可能性を肌で感じたこともあり、今後はその言葉を胸に、インドの魅力を日本に伝えていきたいと思います。

インドの醍醐味、面白さ等

本場のインド料理は想像以上にスパイシーで複雑な味わいがあり、とても美味しかったです。神聖な動物として扱われる牛が道ばたにたくさんいる光景も印象的でした。学校への移動や休息日にはローカルな風景に触れ、ワクワクが止まりませんでした。

デリーの道ばたに寝そべる牛(左)と、ヒンドゥー教寺院での文化体験(右)

最後になりますが、今回の派遣を支えてくださった関係各所の皆さま、温かく迎えてくださったインドの皆さま、そして一緒に駆け抜けたNPメンバーに、心から感謝しています。本当に貴重で有意義な10日間でした。ありがとうございました!

Writer
インド
インド短期(2025年度)さん

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