日本語パートナーズ派遣事業(短期派遣プログラム)は、派遣先ごとに異なるニーズに対応するため、地域・対象者等を限定したうえで募集を行っています。
今回のモンゴル短期(2025年度)では、過去に日本語パートナーズ(以下、NP)として派遣された経験を持つ方々の中から選考を行い、8名1グループとして派遣し、首都ウランバートル及び近郊の中等・高等教育機関等で、日本語を学ぶ生徒等との交流を深めました。
モンゴル短期(2025年度)活動スケジュール
日本語パートナーズ モンゴル短期(2025年度)
奥村淳子、佐藤素花、中田有紀、長嶺佐和、
樋口いづも、古澤真奈美、山本達也、米田咲貴
Сайн байцгаана уу?(サインバイノー! モンゴル語で、こんにちは!)
私たちモンゴル短期(2025年度)は、今回NPとして初めてモンゴルに派遣され、2025年10月15日~10月23日までの9日間、首都ウランバートル近郊の中等・高等教育機関等で、日本語や日本文化紹介の活動を行いました。
モンゴルは 国土が日本の約4倍。首都ウランバートルには高層ビルが立ち並び、市街地を少し離れると、どこまでも続く草原が広がっています。今回は、都会と大自然が隣り合うウランバートルを中心に活動しましたが、モンゴルは若い世代の人口が多く、学校を訪れるとその活気をすぐに感じました。
学校では、日本文化紹介を中心とした活動を通して、多くの生徒や先生方と交流することができました。どの学校でも、生徒の皆さんが私たちを温かく迎え入れていただき、日本語で一生懸命コミュニケーションを取ろうとする姿がとても印象的でした。また、日本語を学びたいという生徒の思いを直接感じられたことは、大きな励みにもなりました。
そして今回の短期派遣は、チームで企画し、協力しながら活動を進められたことが大きな魅力でした。8名それぞれの経験や得意分野を生かしながら役割分担し、短期間だからこそ「やってみよう!」と挑戦できたこともたくさんありました。チームで動く楽しさや、互いに支え合いながら活動する力を改めて実感しました。
派遣先校での活動の様子・内容
活動内容は、現地の先生方が「そのまま授業で再現できるように」という点を大切にし、現地で手に入るものを使いました。また、体験型を中心にすることで、日本語初心者の生徒も安心して参加できるようにしました。実施した文化紹介は以下の通りです(一部抜粋)。
・福笑い(インターネットからダウンロードした台紙をラミネートで加工し、始める前に「うえ・した・みぎ・ひだり」等必要な日本語を全員で確認し、生徒自身が指示し合えるよう工夫)
・輪投げ(日本の縁日をテーマに、ペットボトルを的にする等、簡単に再現できるよう工夫)
・書道体験(英語名をひらがなに変換できるQRコードを用意し、デコレーションシール等でオリジナルの作品にできるよう工夫)
・とんとん相撲(モンゴルでも身近な存在である相撲をテーマに、段ボールから簡単に作成し遊べるよう工夫)
・お守りづくり(折り紙のみを使って簡単に作成できるよう工夫)
・ポスターづくり(派遣前に、事前に日本の小学生・高校生に「モンゴルと聞いて何をイメージするか」をテーマにポスターを作成してもらい活動中に掲示、モンゴルの生徒には活動中に「日本と聞いて何をイメージするか」というテーマでポスターを作成してもらい、双方がお互いの国に対してどのような印象を持っているかを共有)
印象に残ったこと、気付きがあったこと
まず心に残っているのは、生徒の積極さと優しさです。活動の後、一人の生徒が「先生、これつくったよ!」と言って、自分で折った折り紙の鶴をプレゼントしてくれました。予定していた「飾り用の折り紙」を見て、自主的に挑戦してくれたそうです。折り方もとても上手で、その気持ちが嬉しくて、今でも大切にとってあります。
派遣先の学校では、伝統舞踊や馬頭琴、アルタイヤトガ(小型の弓形ハープ)といった伝統楽器の演奏を披露してくれる場面もありました。華やかな伝統衣装に身を包んだ生徒たちが誇りを持って踊ったり、伝統楽器を奏でたりする姿から、「自国の文化を大切にし、次の世代に繋いでいこうとする気持ち」が強く伝わってきました。
また、モンゴルの日本語教育は非常にレベルが高く、生徒たちが流暢な日本語を話していたことにも大変驚かされました。日本語だけではなく、日本文化についても知識が豊富な生徒が多く、その理解の深さに圧倒される場面もありました。日本語教育に熱心に取り組んでいる先生方が多くいらっしゃることも印象的で、その姿勢から日本語学習への強い関心と情熱を感じました。
帰国後の活動
帰国後は、NPそれぞれがモンゴルでの経験を生かしながら活動を続けています。各々の職場でモンゴルでの活動内容を報告したり、学校や地域のボランティアでモンゴルのポスターや多読本を紹介したりと、様々な形でモンゴルとの繋がりを広めています。
また、今後は新たに始まる長期派遣へのサポートや、日本語学校等のモンゴル留学生との交流、中長期的には地域の多文化共生に関わる活動に参加して、より良い社会づくりに貢献したいと考えています。
モンゴルの醍醐味、面白さ等
モンゴルの魅力は、都会の便利さと雄大な自然のどちらも味わえるところだと思います。人口の多くが暮らす首都ウランバートルでは、車が行き交い、高層ビルやコンビニ、ショッピングモールが並ぶ等、生活しやすい環境が整っています。一方で、車で少し郊外へ出てみると、息をのむような美しい自然が広がり、人々や動物、大地が共に生きる穏やかな光景に出会えます。派遣時は真っ白な雪景色でしたが、季節ごとに違った姿を見せてくれるため、何度でも訪れたくなる素敵な国です。私たちも、すでに「また行きたい」と感じています。
最後になりますが、関係者の皆さま、モンゴルで出会った方々、そして力を合わせ一緒に活動してくれたモンゴル短期(2025年度)のNPメンバーに、心より感謝申し上げます。
Баярлалаа!(バイラッラー! モンゴル語で、ありがとう!)












