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現地日本語パートナーズが語る

ラオス10期 大重歩悠子さんへのインタビュー

NPに応募されたきっかけは何ですか?

NPを知ったきっかけは、国際交流基金(以下、JF)のウェブサイトからでした。実はその前に、大学の事務室にJFが実施している日米草の根コーディネーター派遣(以下、JOI)の広告が貼ってあり、日本文化を紹介するという点でJOIにも少し興味を持ったのですが、応募条件の一つに『四年制大学卒業以上の資格を有すること』があったので、その時点で応募は叶いませんでした。ですが、その関係でJFのウェブサイトを見るようになり、さまざまなプログラムの中からNP派遣事業を見つけました。大学受験の際、『日本と世界を繋ぐ仲介者になりたい』という思いを志望理由に書いたのですが、これがNPの『日本と世界の架け橋になる』というキーワードと重なり、また、大学3年生の就活のタイミングでいろいろ将来を考えていた時期でもあったので、卒業する前に1回挑戦してみようと思い、NPに応募しました。

どうしてラオスを選んだのでしょうか?

大学3年生の時に、大学が実施する海外短期研修で約2週間ラオスに滞在しました。個人的に仏像や仏教が好きでもあり、この約2週間の短期滞在を通してラオスの国民性が大好きになりました。もう1回ラオスに行きたいなと思っていたところ、NPの募集対象国にラオスがあったので、「これは応募しないと!」と思い、ラオスを選びました。

現在派遣されているビエンチャン中等教育学校はどういった学校ですか?

全校生徒約3,000名の、ラオスでも有数の大きな学校です。その中で、日本語を学んでいる生徒は約800名おり、17クラスあります。学校では、日本語の他に中国語、韓国語、ロシア語等、さまざまな言語を第二外国語として学んでいます。

学校ではどのような活動をしていますか?

学校では主に低学年の生徒を担当しており、3つの活動を行っています。1つ目は、現地の日本語の先生(以下、CP先生)のアシスタントとしての日本語授業のサポート。2つ目は、授業内での日本文化紹介(じゃんけん、椅子取りゲーム、折り紙、福笑い等)。3つ目は、放課後15時~16時まで開放している日本語教室です。この日本語教室は日本語学習者だけでなく、日本語を学習していない生徒も含め、基本的に誰でも気軽に入ることができるので、日本語や日本文化に興味がある生徒に対し、個人的に日本語を教えたり、会話の練習をしたりしています。

日本語授業の様子

愛子さまが学校をご視察されると聞いた時、どう思いましたか?また、生徒たちの反応はどうでしたか?

最初は噂話として聞いたので、「本当にいらっしゃるの?」と半信半疑な感じでした。その後、段々と話が本格的になってきたので「本当にいらっしゃるんだ……」と、徐々にその実感が湧いてきました。
生徒は愛子さまのことを知っていたので、特に女子生徒の多くは「日本のお姫さまが来る!」と、とても楽しみにしており、興奮していた様子でした。ある授業ではその話題で持ち切りになり、授業どころではないこともありました。

愛子さまがご視察される日まで、学校でどのようなことを準備していましたか?

「うまくやらないと」という思いが一番にあったので、授業の練習やシミュレーション等、生徒とともに念入りに準備を行いました。愛子さまには、ラオスの生徒が日本文化を楽しんで学んでいる姿を見ていただきたかったので、授業中の文化紹介でも人気があった『福笑い』をしようと考えました。「盛り上がらなかったらどうしよう」という不安もありましたが、そこはキャラクターをおかめだけでなく、ひょっとこや鬼、雪だるま等に変更したり、目隠しも紙皿にイラストを描いたお面にしたりして、今まで行った『福笑い』とは違った新鮮さを出すことで、生徒自身が盛り上がれるように準備しました。

また、絵を描くのが上手い生徒たちが自主的に愛子さまの肖像画を描いたのですが、当初は学校に飾ろうと思っていたところ、その肖像画を急遽愛子さまご本人にお渡しできることになりました。それもご視察される直前に決まったことだったので、生徒たちとギリギリまで準備して、無事に完成することができました。

愛子さまご視察までの準備の様子

愛子さまが学校をご視察された際、大重さんや生徒たちにどのようなお言葉を述べられましたか?

愛子さまは、生徒が『福笑い』を楽しんでいる机をそれぞれ回られ、「楽しいですか?」といったお言葉を生徒に述べられていました。また、それだけではなく、生徒6~7名のグループの中のお一人として、生徒が上手くできた時には拍手もされる等、一緒になって『福笑い』を楽しまれているご様子でした。
時間も限られていたので、愛子さまはご視察後そのまま帰られたのですが、出口に向かわれた際に私の方に戻ってきてくださり、「学習院ですか?」と一言声を掛けてくださいました。実は、大学で行っている十二単の活動に関連して愛子さまと共通の知人いるのですが、まさか愛子さまご自身がその知人の事をご存じであるとは想像もしておらず、びっくりしました。そこから「福笑いは、日本文化を紹介する中で日本語も勉強できる素敵な教材ですね」と仰ってくださり、「なぜラオスを選ばれたのですか?」等、既に時間が過ぎていたにも関わらず、5分間程会話をさせていただきました。嬉しさを通り越した感激の思いで、思わず涙が出たのを覚えています。

『福笑い』の文化紹介をご視察される愛子さま(写真:宮内庁提供)

愛子さまのご様子で、印象的だったシーンはありますか?

愛子さまが教室に入られたときのオーラ(雰囲気)が、一番印象に残っています。何というか、佇まいだけでも優しさが伝わってくる感じでしょうか。実際にお話させていただくと、その優しさだけでなく、すごく身近にも感じて。でも、どこか上品さも感じられました。

愛子さまと肖像画を描いた生徒たち(写真:宮内庁提供)

愛子さまが学校をご視察された後、学校や生徒たちに何か影響はありましたか?また、ご自身の心境の変化はありましたか?

日本語教室を開放している時だけでなく、昼食を買いに行く時や校舎を歩いている時にも、日本語を勉強していない生徒や先生からラオス語で「愛子さまに会いましたか?」と積極的に話しかけられるようになりました。今までそういった事は少なかったので、日本を知らない生徒や先生にも、愛子さまのご視察を通して日本を知ってもらうきっかけになったと思います。
私自身、『若い世代が両国の交流の架け橋となる』という愛子さまの想いに触れ、高校生の時から抱いていた『日本と世界を繋ぐ仲介者になりたい』という思いをより一層大事にし、ラオスの生徒たちが日本を好きになるきっかけをこれからも作れたらいいなと、強く感じるようになりました。

1月に行われた宮中行事「歌会始の儀」にて、愛子さまはご視察された学校を題材にした歌を詠まれました。その歌を聞かれて、どう感じましたか?

何とか盛り上げようと思って準備してきたので、その盛り上がっている姿(活気に満ちた教室)を愛子さまにご覧いただき、ほほえましく、また、うれしく思われたことが、とても嬉しかったです。「盛り上がりに欠けたらどうしよう」「大丈夫かな」と心配していたので、その御歌を聞き、本当に安心しました。

ラオス10期としての派遣期間も折り返しを過ぎ、残りわずかとなりました。改めて、NPとしての今後の意気込みを聞かせてください。

一言で「頑張る!」しかないのですが、愛子さまが学校をご視察されたご縁から、そのフォローアップ企画として、3月に十二単の講演会を実施することになりました。そこでは、主に十二単の着装披露と着物のパフォーマンス等を行う予定です。まずはそれを成功させるという目標がありますし、このような貴重な機会をいただいたのも、JFのご協力やこれまでのNPの方々の活躍があってこそだと思いますので、それを肝に銘じた上で、決しておごらず、引き続きNPとしての役割を全うしていきたいと思います。

放課後に開放している日本語教室の様子

最後に、NPへの応募を検討している方々に、一言メッセージをお願いします。

NPとして派遣されて後悔することはないと思います。悩まれているようであれば、ぜひチャレンジしてみてください!

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