最新情報はこちら 最新情報はこちら
現地日本語パートナーズが語る

ラオス10期 松里佳奈子さんへのインタビュー

NPに応募されたきっかけは何ですか?

定年退職後に日本語教師の国家資格を取得し、NGOで外国人支援コーディネーターをしていました。そこで外国につながる子どもたちの暮らし等に課題を感じ、海外から日本に来る子どもたちが安心して暮らすことができたり、しっかりと教育を受けられるような支援に繋げていきたいという思いが芽生え、日本と海外を繋ぐ活動に携わりたいという思いも重なり、NPに応募しました。

どうしてラオスを選んだのでしょうか?

20代の頃タイに滞在していた時に、北部にある山岳民族の人たちを支援するボランティアをしていました。そこで、生活の為の道具やカラフルな刺繍に出会い、その素晴らしさに魅了されました。その影響もあり、タイにもう一度行きたいと思っていたのですがコロナ禍になり、その当時のご縁で、タイのアカ族の子どもたちの就学支援をしている団体のサポート活動を始めました。その関係でラオスのレンテン族の刺繍に出会ったのですが、その刺繍がとても素晴らしくて、心をぎゅっと鷲掴みされたというか、それで「ラオスに行きたい!」と思ったのが、今回ラオスを選んだきっかけになります。

学校ではどのような活動をしていますか?

主に高学年の生徒を担当しており、大重さんと同じような3つの活動を行っています。授業では基本的に現地の日本語の先生(以下、CP先生)が主体となるので、私はそのアシスタントとして、日本語の発音のサポートや机間巡視、時には生徒の発表やテストの採点も手伝っています。文化紹介では、浴衣の着付けやじゃんけん列車、福笑いだけでなく、おにぎり作りもしています。おにぎり作りはご飯を炊くところから本格的にやるのですが、文化紹介に『食』を取り入れると、生徒はとても喜んでくれます。放課後に開放している日本語教室は、生徒のサードプレイス的な場所として、「いつでもどうぞ」と快く迎え入れています。

放課後に開放している日本語教室では、生徒たちと会話の練習等をしています

愛子さまが学校をご視察されると聞いた時、どう思いましたか?また、生徒たちの反応はどうでしたか?

愛子さまがラオスを公式訪問されることは、ラオス国内でも話題になっていました。ですが、まさか私たちの学校をご視察されるとは思ってもおらず、それを聞いた時は非常に光栄でもあり、誇らしいことだなと思いました。
生徒たちは本当に喜んでいて、特に高校生の生徒たちはインターネットで愛子さまについて調べて、「日本のお姫さまだ!」「素敵!」と高揚感を高めていました。また、日本語を学習していない生徒たちもすごく興味を持ってくれて、日本の皇室についてたくさん質問されたのを覚えています。

愛子さまがご視察される日まで、学校でどのようなことを準備していましたか?

愛子さまには、日本に興味がある生徒にぜひお会いしていただきたかったので、まず日本語学習に対して熱意のある生徒を集めました。事前に生徒2名と交流したいというお話もあったので、こちらで選抜した上で、2名の生徒には毎日時間を貰い、会話の練習や使う言葉が正しいかどうかをチェックしました。「この表現はこちらの方が発音しやすいからこうしよう」「この表現の方が伝わりやすいのではないか」等、生徒と一緒に考えながら準備をしました。
また、女子生徒たちは愛子さまの歓迎の絵を描いたのですが、その絵には日本の着物やラオスの正装、日本の桜やラオスのチャンバー(国花)、そして、愛子さまを歓迎する言葉等が描かれてあります。これらを描くにはやはり時間がかかり、女性生徒たちは毎日遅くまで日本語教室に残って作業をしていました。
生徒の皆さんは、本当によく頑張ってくれたと思います。

愛子さま歓迎の絵を描く女子生徒たちの様子

愛子さまが学校をご視察された際、松里さんや生徒たちにどのようなお言葉を述べられましたか?

寄稿した『パートナーズの声』にも重複しますが、愛子さまは生徒2名とお話をされました。「海という漢字が一番好きです」という生徒の言葉に、「そうですか。私どものところに縁あった猫の名前に、同じ言葉が入っております」とお言葉を述べられたり、「日本のアニメが好きです」という生徒の言葉には、「何のアニメが好きですか?」と興味を持ってくださる等、生徒一人一人と丁寧に対話してくださいました。
また、当初は予定になかったはずですが、お時間を取ってくださり、私やCP先生にもお声がけくださいました。「なぜNPに参加しようと思ったのですか?」や「文化紹介は何をされていますか。書道ですか?」と、何と、私が書道をやっていることを愛子さまは予めご存じで、とてもびっくりしました。CP先生にも「日本語の先生は何人いらっしゃるのですか?」とお言葉を述べられる等、私たちに対しても丁寧に対応してくださいました。

私からNPについてご説明させていただきました

愛子さまのご様子で、印象的だったシーンはありますか?

本当に、一人一人に対して丁寧に対応されるお姿が印象的でした。生徒はとても緊張していたので言葉も聞きづらかったと思うのですが、生徒の言葉に対して愛子さまは優しく頷かれながら、ご自身のお言葉で生徒とお話されておりました。また、時間の制限があったにも関わらず、時間ギリギリまで生徒にお声をかけられお話されているお姿には、大切にされている『若い世代との交流』という思いが感じられました。

生徒2名とお話される愛子さま

愛子さまが学校をご視察された後、学校や生徒たちに何か影響はありましたか?

今でも、愛子さまの歓迎の絵や言葉を学校に飾り、『愛子さまが学校にいらっしゃった』という記憶を残しています。その影響かはわかりませんが、日本語を勉強していない生徒や先生から「テレビに出ていたね」と言われたり、「一緒に写真を撮ってください」と言われることもありました。また、学校だけでなく、食堂の方や果物屋さんからも「あなたテレビに出ていたね。知っているよ」と声を掛けられました。愛子さまのご視察が、学校という域を超えたさまざまな方面で、日本のことを知ってもらうきっかけになったと思います。

1月に行われた宮中行事「歌会始の儀」にて、愛子さまはご視察された学校を題材にした歌を詠まれました。その歌を聞かれて、どう感じましたか?

今回のお題は『明(めい)』と定められていましたが、愛子さまの中で『明=ラオスの生徒』と思っていただけたのが、とても嬉しかったです。ラオスの生徒たちは本当に明るくて、ノリが良いんです。そんな明るく元気な生徒の姿が、愛子さまの目に映ったのだと思いますし、それを思い出してくださって御歌を詠まれたことが、本当にありがたいことだなと思いました。

ラオス10期としての派遣期間も折り返しを過ぎ、残りわずかとなりました。改めて、NPとしての今後の意気込みを聞かせてください。

生徒数の関係で担当しているクラスが多く、自分が思っていたほど文化紹介をまだやれていません。生徒には楽しい日本を体験してほしいので、残りの期間は文化紹介を一つでも多く実施したいと考えています。
また、在ラオス日本国大使館主催の日本語スピーチコンテストがあり、そこでビエンチャン高校として書道パフォーマンスを披露する予定で、つい先日、学校にて書道部を発足させました。こちらでは、少しでも深く日本文化に触れる機会になること期待しています。

第1回ビエンチャン高校書道部の活動

NPとして重要なのは『帰国してから何をするか』でもあると思います。ラオスに来る前に、外国人支援関係者からNP経験者を何人か紹介いただき、NP同士の横の繋がりが生まれました。その繋がりを大切にしながら、これからは日本と海外を繋ぐ活動に携わっていきたいと考えています。

最後に、NPへの応募を検討している方々に、一言メッセージをお願いします。

NPには日本語授業のサポートや、日本文化を伝えるというしっかりとした役割があり、その中で活動できるというのは、とても貴重な経験だと思います。何より、学校に派遣されて生徒と一緒に過ごすというのは、すごく元気を貰えます。不安もあるかもしれませんが、国や地域による違いや、そこにしかない学びがたくさんあると思いますので、ぜひ勇気を持って応募してみてください。

PAGE TOP