ASEANと欧州を結ぶ日本研究の架け橋 EAJS2026ポーランド報告

その他

国際交流基金(JF)は、2026年8月27日から30日までポーランド・ポズナンで開催されたヨーロッパ日本研究協会(EAJS)2026国際学会において、ASEANと欧州地域の日本研究ネットワークの強化及びASEAN域内の研究者育成を目的として、JF主催のスペシャルパネルならびに日本研究者10名への旅費支援事業を実施しました。

JFスペシャルパネル

本パネルは、“Japanese Studies and Southeast Asian Futures: Knowledge, Collaboration, and Regional Reconfiguration”と題し、ASEANにおける日本研究の現状と可能性を共有し、欧州を含む国際的な研究連携を通じた日本研究の新たな展開を議論することを目的として開催しました。

約70名が参加し、EAJSの現況報告に続き、ASEAN地域の研究者が各国における日本研究の現状と課題を共有し、研究者と知見を交換しました。議論では、多様な地域的視点を取り入れた日本研究の重要性や、研究資金の確保、若手研究者育成といった共通課題が取り上げられ、日本研究は日本理解にとどまらず新たな知を創造する営みであるとの認識が共有されました。

質疑応答では、AIやデジタル技術の発展が日本研究や日本語教育にもたらす影響や、日本研究・中国研究・韓国研究を横断する地域研究の可能性や、アフリカ・南米を含むグローバルな研究ネットワークの構築について意見が交わされました。さらに、国際的な研究交流を促進するためには、研究データへのアクセス環境や研究評価制度などの障壁を乗り越える必要性が指摘されました。

域内日本研究者旅費支援

本支援は、ASEAN国籍を有する、またはASEAN域内の日本研究機関に所属する日本研究者をEAJS2026へ派遣することで、国際学会での発表やネットワーキングを推奨し、域内の研究者育成に繋げることを目的として実施しました。

ネットワーキングは渡航前にオンラインにて、本学会への参加に関する不安や課題、学会で交流したい研究者や関心分野 を共有し、参加者同士でアドバイスを行うなど情報交換の機会を設けました。
また、学会期間中に対面にて、本学会で得た知見や気づきを共有するとともに、グループトークにおいて「ASEANにおける日本研究の発展のために、私たちが協力し合えること」と題して意見交換を行いました。参加者からは、(1)SNSなどによる情報発信の強化、(2)学術交流機会の拡充、(3)オンライン・プラットフォームの整備、(4)国際学術誌への投稿促進、が提案されました。

参加したJF道傳愛子理事は、ASEANの日本研究者に向けて「5年後、10年後には、本参加者の中から国際的に活躍する研究者が数多く生まれることを期待している」との言葉を寄せました。

成果と展望

今回のスペシャルパネル及び旅費支援は、ASEANの研究者が国際的な日本研究に積極的に参画し、その研究成果や視点を広く発信する貴重な機会となりました。
また、地域を越えた研究者間の交流とネットワーク形成が促進されるとともに、日本研究のさらなる発展に向けて継続的な支援の重要性を改めて認識する契機となりました。今後もJFは、次世代研究者の育成と国際的な学術交流の促進を通じて、日本研究のさらなる発展を支えていきます。

講義室のような場所でパネルディスカッションが行われている。聴衆は約30人いて、その前に1人の男性が立って来場者に話している。
JFスペシャルパネル
大学の外観が写っている
アダム・ミツキェヴィチ大学
開催日程 2026年8月27日(木曜日)~30日(日曜日)
出演 ポーランド
会場 アダム・ミツキェヴィチ大学
関係する国 インドネシア、ベトナム、シンガポール、フィリピン、その他
参加者 JFスペシャルパネル参加者:
【モデレーター・チェア】CHENG CHUA Karl Ian(フィリピン大学助教授、JSA-ASEAN 事務局長)
【ディスカッサンタント】NIEHAUS Andreas(ゲント大学教授、EAJS 会長)
【パネリスト】DE ANTONI Andrea(京都大学准教授、EAJS 理事)
PHAN Hai Linh(ハノイ国家大学准教授、JSA-ASEAN メンバー)
LIM Beng Choo(シンガポール国立大学准教授、JSA-ASEAN メンバー)
PRATAMA Himawan(インドネシア大学講師、JSA-ASEAN メンバー)
主催 国際交流基金日本研究部
お問い合わせ 国際交流基金日本研究部