国際交流基金アジアセンターは、2014年度より東京国際映画祭を通じてアジアにおける映画交流事業を実施しています。東京オリンピック・パラリンピックの開催される2020年まで行われるこの取り組みを通じて、日本を含むアジアの人々がお互いのことをよく知り合い、共感や共生の意識を育んでいくことを目指し、映画祭をプラットフォームにしてアジアの才能を海外へ発信していきます。
【東京国際映画祭(Tokyo International Film Festival, TIFF)】
東京国際映画祭(以下、TIFF)は日本で唯一の国際映画製作者連盟*公認の国際映画祭です。 1985年、日本ではじめて大規模な映画の祭典として誕生したTIFFは、日本及びアジアの映画産業、文化振興に大きな足跡を残し、アジア最大級の国際映画祭へと成長しました。いまや最も熱気溢れるアジア映画の最大の拠点である東京に、世界中から優れた映画が集まり、国内外の映画人、映画ファンが新たな才能とその感動に出会い、交流する場を提供します。
* 国際映画製作者連盟:世界の映画産業、国際映画祭の諸問題を改善、検討する国際機関。パリに本部を置き、世界29ヵ国 (2015年5月現在)が加盟している。
東京国際映画祭(TIFF)との取り組み
(1)国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA
アジアの国、監督、俳優、テーマなどに焦点を当て、アジア映画の特集上映部門を創設。アジアの現在(いま)を鋭く切り取った珠玉の映画を紹介していきます。
(2)国際交流基金アジアセンター×TIFF co-produce アジア・オムニバス映画製作シリーズ「アジア三面鏡」
日本を含むアジアの気鋭の監督3名が、ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を共同製作するプロジェクト。似て非なるアジア各国の諸相が3か国の監督それぞれの解釈で様々な映像美に仕立てられ、三面鏡のように異なる角度から浮き彫りにされていきます。制作された作品は、TIFFでのワールド・プレミア上映の後、世界の映画祭での上映を目指します。アジアにおける映画分野の協働の取り組みを支援し、アジアの中で、またアジアから世界へ新しい文化を発信します。
(3)国際交流基金アジアセンター特別賞
TIFFのアジアの新鋭監督の登竜門である「アジアの未来」部門に、「国際交流基金アジアセンター特別賞」を創設。今後特に、文化の違いを超えて国際的に活躍していくことが期待される監督に賞が贈られます。受賞監督には、トロフィーとともに、副賞として日本招へい旅行(日本人が受賞した場合は、アジア旅行)が贈呈されます。
(4)TIFFでのアジア映画枠の拡充及びそのサポート
東京国際映画祭の「アジアの未来」「ワールド・フォーカス」部門で上映するアジア映画の枠を拡充するとともに、メイン部門である「コンペティション」を含む各部門で上映が決定したアジア映画に対する字幕制作費やゲスト招へい費をサポートし、アジア映画の紹介を促進します。
(5)TIFFへの映画人・ジャーナリストの招へい、TIFF併設マーケット「TIFFCOM」へのバイヤー・セラーの招へい
アジアの中で映画に関わる様々な人々の交流を推進し、それぞれの間のネットワークを強め、交流の基盤を構築します。映画祭関係者、ジャーナリストはじめアジア地域から要人を招へいし、自国映画の日本での紹介、日本映画の発掘、日本映画関係者との交流、自国での東京国際映画祭の認知促進等を行います。また、アジア地域から訪日経験の少ないバイヤー及びセラーを「TIFFCOM」に招へいし、双方の映画の相互認知促進と関係者とのネットワーク形成を通じ、今後の日本映画のアジア各国での紹介とアジア映画の日本での紹介の双方向の推進をめざします。
(6)アジア・ネットワーキング・レセプション、招へいゲストによるイベントなど
アジア各国から招へいしている監督、俳優、映画祭関係者、ジャーナリスト、バイヤー・セラー等を一堂に集め、日本の関係者を招いて、交流の場を設け、アジア映画を通じた国際交流を促進します。また、招へいゲストによるトーク、セミナー、シンポジウムなどのイベントを会期中に実施します。
(7)日本映画特集のアジア地域での開催
東京国際映画祭の上映作品を含む、日本映画パッケージをアジア地域に紹介する等により、東京国際映画祭と連携して、日本映画の海外での上映の一層の促進を目指します。
2017年度、2018年度および2019年度の本事業はbeyond2020の認証事業です。