こんにちは、サラブリー県に派遣されていた星野夏実です。
サラブリーを離れてからもうすぐ1か月が経とうとしています。
あっという間に過ぎていった派遣先での3か月間の生活は、わたしの人生にとってかけがえのない大切な時間になりました。
なかでもCP(現地の日本語の先生)や生徒との会話を通して多くのことを学びました。
高校3年生のある生徒(以下「Aくん」)との会話の中で、Aくんの口から「お坊さん」という単語が出てきました。わたしが着任してからの授業では勉強していない単語だったので、「すごいですね、どうして知っていますか?」と聞くと、CPの先生の通訳を交えて、少し照れながら彼が高校1年生だった時の授業でのことを話してくれました。
授業では、「将来、〇〇になりたいです」というフレーズを使って文を作る活動をして、Aくんは「将来、お坊さんになりたいです」という文を作ろうとしたそうです。ところが、タイ語の「お坊さん」を翻訳アプリで日本語に訳したところ「仏像」と出てきて、Aくんはそのまま「将来、仏像になりたいです」という文章を作りました。
「その間違いがきっかけで『お坊さん』という言葉を覚えました。」と話してくれました。
それから約2年が経った今でも、印象的な出来事と結びついて単語を記憶していることに驚いたと同時に、「間違えること」「失敗すること」が物事を学ぶ上で重要な役割を果たすことを実感したひとときでした。
短い期間でしたが、日本語パートナーズとして生徒たちの日本語学習のサポートに携わり、彼らが少しずつ成長していく姿を見ることができたことに大きな喜びを感じています。