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タイ人の生活と仏教

9月着任後すぐに、キンジェイ(菜食)が始まった(9月24日から10月2日)。特に中華系の人々が行う習慣で、肉食を控え、豆腐や野菜を使ったこの期間だけに作られる料理を食べる。チョンブリは中華系の人が多いので、学校でもキンジェイを行う人がたくさんいた。食堂ではキンジェイが用意されないので、中華系の仏教徒で、特に敬虔な信徒はキンジェイ料理をお弁当に持ってきていた。料理にはナンプラーは使わずしょうゆを使う。ネギやニンニクのような臭いの強い野菜も食べない。ご飯屋や市場には、黄色に「斎」と赤文字で書かれた旗が掲げられる。今年は珍しく閏(うるう)月の計算の都合でキンジェイは2回あり、2度目は10月下旬だった。

8月の雨期が始まるころ、僧侶たちは托鉢(たくはつ)をやめる。これをカオパンサーと言い、10月が明けるとオーパンサーと言って、僧侶の托鉢(たくはつ)が再開される。仏教徒はオーパンサーの翌日、寺院に詣で、タンブン(喜捨:金銭や物品を寺社や困っている人に進んで寄付すること)をして功徳を積む。現地の日本語教師のご両親は、車いすをタンブンすると言っていた。多くの食べ物が喜捨され、僧侶がたっぷり食べた後、仏教徒たちも分けあってたっぷり食べる。タイは気候が暖かいので食べ物が潤沢にあり、基本的に食に困らないところなのだと実感する。敬虔(けいけん)な仏教徒の先生は、タンブンに行くために学校を休む。オーパンサーの後は、待ってましたとばかりに結婚式が多くなる。

学校の朝礼では国旗掲揚、国歌斉唱、校歌斉唱の後、読経がある。校門には仏像があり先生も生徒も仏陀(ぶっだ)にワイ(注:タイの伝統的な合掌によるあいさつの一種)をする。話には聞いていたが、タイでは仏教は生活そのものだ。

 

写真
オーパンサーの様子
Writer
タイ 中部チョンブリ県
髙橋 美都子さん

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