みなさん、Apa Khabar?(アパ カバーㇽ? お元気ですか? )
私の配属校は、マレーシア クダ州アロースター市の真ん中に位置する女子中等学校。 なんと創立1世紀をもゆうに超える、王様御一家ゆかりの超伝統校です。 実は学校名の「アスマ」。これは、クダ州の王様ご一家の御名前なのです。
ある時期、学校中が約1ヶ月もかけてリハーサルを重ねる日々が続きました。 なんと、年に1度、王様御一家が当校にお越しになるとのこと!
その特別の日にはもちろん沢山の催しがあります。そんな準備で忙しい中、音楽の先生から鶴の一声! 「100年を超える歴史の中、日本人教師が初めているのです。ここはぜひ、日本の歌を披露しましょうよ!!」
もちろん即決で、首を縦に振るのみでした。歌うのは私でなく、生徒合唱団です。(ほっ・・)
選曲は、「さくらさくら」と「荒城の月」の2曲。 生徒合唱団と、約1ヶ月の練習が始まりました。 私の担当は、マレー語・英語での歌詞説明、日本語発音指導、イントネーション・抑揚指導など ネイティブができる仕事です。
そして音楽の先生から、続いてのサプライズ案。 「荒城の月は、記念にあさみさんが二番を作詞してください。日本の四季をイメージしてほしいな!」との事。
間髪入れず首を縦に振り、大和四季をイメージして作詞。早速、できたてホヤホヤの歌詞を生徒が歌い上げます。 そのときの、「みんなで何かを生み出したぞ!」という臨場感といったら、表現ができない程の最高の気分でした!
もちろん本番でも、生徒は立派に、王様御一家の目の前で、日本の歌を披露してくれました。 王様御一家のお手元には、日本の和紙に 習字で歌詞と意味を書き(日本語・英語)献上しました。
とにかく住んでみないと分からない事ですが、国と国民との近い距離感、1世紀超えの伝統行事を守り続ける姿、 そんな大切な学校の一大イベントに、特別に『日本の歌を取り入れてくれた』学校と先生方の粋な計らい。 なかなか日本では味わうことのできない、スペシャルな事ばかりが起ります。 外国人で日本人である私にとっても、大変ありがたい一生に一度の記念日となりました。
教授だけではなく、「日本人」「日本語」のありがたさを感じれる海外活動。それを体験できるのも、日本語パートナーズの 醍醐味です。一生に一度と思える経験ばかりで、体中が宝物でつまっているような、マレーシア滞在7ヶ月目の私です。