ベトナムではお正月を陰暦で祝うため、まだお正月は来ていませんが、日本の慣習に従って1月の文化紹介“事始め”に「書初め」をする事にしました。
ベトナムにも筆を使った“書道”のようなものがあり、その道の人はテト(ベトナムのお正月)の時に“書初め”のようなことをするそうですが、生徒に聞いたところでは生徒のだれもが筆で字を書いた事が無いそうです。そこで、書初めに挑戦することにしました。
私自身、書道に造詣が深いわけでは有りませんので、子供のころに習った習字の経験を基に見様見真似で「下手でもいいから、書きたい字を元気いっぱいに書きましょう」と励まして書初め開始。
予め私の方から適当と思われる見本をパワーポイントで紹介していますが、さすがに現代っ子「先ず、何の字を書こう?!」とスマホを武器に日本語の検索からスタートです。筆を持つことが初めての生徒ばかりなので、最初はこわごわと練習用の新聞紙に向かいます。中々思うように書けません。時間や紙の枚数に制限があるため十分とは言えない練習の後、半紙に向かって清書です。このクラスは高校生でしたので“とても上手ですよ!”とは言えませんが、書き終えた生徒にはとても満足そうな笑みが漏れていました。書初めが終わると、自分の書いた作品を友達に自慢したり、スマホで撮りあったりと大騒ぎの教室でした。最後は教壇前に整列して「はい、モッ・ハイ・バー “パチリ”」。
授業後は自分の書いた作品を、とても大事そうに紙に包んで持って帰りました。そんな様子を見ていると、重い硯や文鎮を担いできた甲斐が有ったと思いました。