赴任前、私の中の不安なことランキング1位は“ラマダン中の過ごし方”でした。配属先がムスリム色の強い州なので、自分が実際に生活しているイメージができなかったからです。それだけに今日、無事にハリラヤ(断食明け祝い)を迎えることができてホッとしています。
今回は色んな方から頂いたアドバイスとともに、楽しかったラマダンの思い出を共有します。
マレーシアは多民族国家であるため、配属される地域によってラマダンの過ごし方は異なりますが、共通して大切なのは“イスラム教徒への配慮”です。
まずラマダン中は「Puasa(断食しているの)?」とよく聞かれることがあるのですが、これは興味本位の質問であって、強制されることはありません。もちろん断食することは歓迎されますが、無理をすると周りに気を遣わせてしまうので健康第一です。相手によって「ちょっとだけ挑戦しています!」「安心してください!食べてます!」など“とにかく明るく”答えることが大切です。
また「無理はしない」というのは決して私たちだけでなく、イスラム教徒にとっても大切な心構えなのです。体調が優れない場合は最低限の飲食は摂ることができます。こうして小さい頃から徐々に断食に慣れていくため、誰も私たちがいきなり断食できるなんて思っていないそうです。私は毎日軽食を持参し、極力人目につかない場所で食事を摂っていました。
そしていくら親しい間柄であっても「大変ですね」「水は飲んだ方がいいのでは...」などの発言はNG。彼らにとってイスラムの教えを守ることはアイデンティティーなのです。関西出身の私も、ここはふざけないでキッチリ厳守。
こうして赴任前は不安だったラマダンが終わり、ハリラヤを迎えました(半分はスクールホリデーでしたが 笑)。彼らが一年で一番大切にしている時間を一緒に過ごせたことで、マレーシアにまた少し踏み込むことができた気がしています。この体験は帰国後も是非多くの人と共有したいものです。
ラマダン~ハリラヤまでのハイライト