ブンタウは海沿いのきれいな街です。歴史的には漁港として栄えてきましたが、現在は海水浴場という観光地でもあります。朝6時には、ひと泳ぎした多くの人たちが行き交っています。
ブンタウの海水浴場風景
ブンタウの日本語教育が始まって今年で3年目ですが、10年生(高校1年生)から始まる関係上「教科書にほんご6・7」を修了させることに精一杯という感じです。
日本の文化紹介も、浴衣・書道・折り紙と一通り経験してきていますので、12年生(高校3年生)には「墨絵と落款彫り」を紹介しました。下絵のサンプルを7種類程用意しましたが、半数の生徒は何らかの工夫を施して作品を完成させていました。中には芸術家と見まがうほどの作品を描き上げてくる生徒もいて、驚きで富士を駆け上る思いがしたものです。
落款彫りにはあまり期待をしていなかったのですが、「自分の印鑑」という思いを強く持ったようで、多くの生徒がカタカナ文字の落款(消しゴム製)を作っていました。
白いアオ・ヤイの制服と墨絵、そして朱の落款とがとてもマッチしており、日本文化がベトナムの教室に溶け込んでいました。
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落款印の下書き
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墨絵と落款印づくり
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墨絵への取り組み
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秀でた見事な墨絵作品
作品完成記念撮影
私のもう一つの楽しみは学食での休憩です。
生徒の多くは朝食抜きで、七時の授業に登校してきます。それを補っているのが2時間目の20分休憩です。生徒がどっと押し寄せてきますが、時々ブタも休憩にやってきます。焼肉弁当や麺類など十種類ぐらいあり、値段も市販の半額程度です。私も一週間に2回ほど利用させてもらっていますが、席を同じくするとその周りに生徒たちが集まってきて、ミニ日本語ベトナム語教室が始まります。最初はベトナム語で意思の疎通を図ろうとしましたが、この頃は、英語を媒体として日本語とベトナム語に訳していくことで意思の深化がより増してきたように思います。
私にとって学食は、おなかも心も十分に満たしてくれる貴重な場になっています。
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学食風景
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ブタの休憩
ミニ教室