日本文化紹介は、日本語パートナーズ(NP)の大事な仕事の一つですが、専門的な知識と技量がない場合「これでいいのだろうか」などと自問が続き、背中に汗を掻きながら進めることもあります。そこで、日本舞踊の師範でお茶の教授でもある宮寺陽子さんという方に来ていただいて、日本舞踊やお点前そして着物の着付けをお願いしました。
4月26日。グエンフエ高校の生徒など、総勢80名近くが参加する中で文化紹介は始まりました。12年生(高校3年生)の流暢な日本語の挨拶の後、日本舞踊で幕開けです。日本舞踊の優美さは体の動きにあるようで、生徒達の仕種に一瞬日本の女性がそこに座っているかのような錯覚に陥ってしまいました。藤間流師範と素人の教えの違いをまざまざと見た思いがしました。
次は生徒達が車座に座ってのお点前の開始です。茶杓をスプーンで代用しましたが、量の目分量がうまくいかず、中には山盛りに掬って点てていた生徒もいました。さぞ苦い思いをしたことでしょうが、日本からのお菓子を手にして大満足のようでした。
最後は着物の着付けです。校長先生とDOET(教育局)の先生に着ていただき「見得を切って」いただきました。ピタリとはまったポーズにやんややんやの大喝采でした。女生徒にはゆかたの着付けでしたが、次から次へと希望者が出て時間が足りないほどでした。
質問コーナーに移りますと、ほとんどが着物についてで「着物と浴衣はどう違うのですか」等々。装いについては女生徒が優位になるのはどこの国でも同様のようです。
全てが終わった後は、宮寺さんを囲んで記念写真撮影が続きました。本物でしか醸し出すことのできないその場の空気の中に、生徒たちはいつまでも浸っていたい思いが募っていました。