8月上旬、理科の「リサイクル」についての授業の一環で、リサイクル品から生徒たちがドレスを作り、そのドレスのファッションショーが盛大に開かれました。
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そして靴もすべてリサイクル品からつくられています。
写真からも感じていただけると思いますが、デザインも完成度も本当にハイクオリティーですよね。
もちろん、生徒たちは「服飾」を普段、学んでいるわけではなく、そのような科目もありません。あまりにも、ドレスの出来栄えが素晴らしいので、私は思わずこのショーが「理科」の授業の一環で催されていることを忘れそうになりました。
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ビールの空き缶を器用に組み合わせてドレスを作っていました。
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色合いが全く違い、個性が光っています。
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大音量でアップテンポな音楽と共に、リサイクルドレスに身を包んだクラス代表の生徒たちが、一人ずつ舞台に登場。 全校生徒と教師から熱い視線が注がれる中、代表の生徒は舞台に立ち、自己紹介並びにドレス制作にかけたクラスの想いを熱く語ります。 スピーチの後は、舞台から客席へとまっすぐと伸びる赤いランウェイを歩きます。その歩き方もまるでプロで、凛々しく悠々としていました。
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クラス代表として、ドレスに身を包んで登場するのは、「女の子」だけじゃありません。どういう言葉が適切か難しいですが、体は男の子だけど心は女の子の生徒も、ランウェイに登場します。
タイでは、多様な性は当たり前のことです。
生徒も、教師も、誰もが、身体的な性にとらわれることなく、自分らしくいられる性を大切にしています。しかし、そんなタイでさえ、生徒は学校内では、身体的な性に合わせた制服を着なければなりません。
それだけに、普段は男の子の制服を着なければいけない生徒が、ドレスに身を包み、ランウェイを歩く姿は、とても伸び伸びとしていて輝いて見えました。
もっと、世界的に、性だけでなくあらゆる面で、各々が自分らしく輝ける社会になればいいなと思った一日でした。