私の赴任地では、毎朝6時になると、街の中で托鉢のために歩くお坊さんの姿が見られます。タイの独特な発色のオレンジ色の袈裟に身を包んだお坊さんがたいてい2人もしくは、見習い中の弟子を連れて3人で歩いている姿が見られます。そして、一軒一軒、家をまわっています。大抵、毎朝托鉢をする家は決まっているようです。
そして、喜捨をした人は、お坊さんの足元にひざまずき、お坊さんは喜捨をしてくれた人のために祈ります。
喜捨するものは何でも構いません。
炊き立てのお米、フルーツ、インスタントラーメン、スナック菓子、クッキー、紙パックジュースなどと本当に多岐にわたります。
ただ一点、喜捨する時には、靴を脱ぎ裸足にならなければいけないので、ご注意を。
喜捨には様々なスタイルがあります。今述べたように、毎朝お坊さんが私たちのもとへやってきて行なう喜捨の他、わたしたちが自らお寺へ行き行う喜捨。タイでは誕生日の日かその週末に(平日は仕事や学校が朝早くからありお寺へ行けないため週末に)お寺へ行き、托鉢をするそう。
また、タイでは、「お寺へ行く日」という日もあります。月の満ち欠けと関係していて、上弦の月、下弦の月、新月、満月の日がお寺へ行く日です。なんだか素敵ですよね。 でも、仏教徒であれば必ず行かなければならないという強い規則ではないようで、生徒の中には「わたしは、朝に弱いので、その日であってもお寺に行きません」という生徒もちらほらいました。
そして、学校行事などで、学校側がお坊さんを呼び、大勢で行う喜捨もあります。
私の赴任校では、学校の創立記念日に20名ほどのお坊さんが学校に来て、朝礼の後、盛大に喜捨を行ないました。
「喜捨をすると心穏やかな気持ちになれます」と生徒が教えてくれました。