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甘くてほろ苦い茶道体験

こんにちは! ジョグジャカルタの3つの高校で活動している村田真知子です。今回は、ジョグジャカルタ第7国立高等学校での茶道体験の様子をご紹介します。

茶道体験は、文化紹介の中でも人気のある体験です。おそらく生徒の楽しみの一つは甘いお菓子。ぜひ和菓子の魅力も伝えたいと思い、茶道体験と和三盆づくりにチャレンジしました。

和三盆は、香川県や徳島県の一部の地域でつくられる砂糖のお菓子です。まずは、日本から持参した金魚などの和三盆を紹介しました。はじめて見る和三盆に女の子たちからは「Cantik(かわいい)!!」の声。実は、インドネシアにも似たようなお菓子がありますが、形はシンプルで色はついていません。

お菓子の写真
左は和三盆。桜や紅葉などの季節を感じる形や、鶴や亀などのおめでたい形などがあり、お茶の席では干菓子として出されます。
右はインドネシアのお菓子Kue Satu(クエ サトゥ)。まるで「砂糖を食べろ!」と言われているような名前です。Kue Satuは緑豆の粉と砂糖からできたお菓子で、粒は和三盆糖よりも荒く、一度オーブンで焼くため少し固いです。口に入れるとゆっくり溶けていきます。

次に菓子木型を紹介しました。繊細な彫りの技術が必要とされる菓子木型。現在、日本で菓子木型をつくる職人はわずか数名です。

亀の形(左)と梅の形(右)をした菓子木型の写真
左は落雁などをつくるための大きな菓子木型、右は和三盆用の菓子木型です。

そんな日本の技も生徒に知ってもらおうと、2種類の菓子木型を手に取りじっくりとみてもらいました。

授業中の生徒の様子の写真
まじまじと菓子木型をみる生徒たち。

そして、いよいよ和三盆づくりに取りかかります。

和三盆づくりの写真
和三盆糖をふるいにかけます。
和三盆づくりの写真
食紅を溶かした水を和三盆糖に少しずつ吹きかけ、手でこねます。帽子をかぶって気分もすっかり和菓子職人♪
和三盆づくりの写真
水の加減は、和三盆糖を手の平でぎゅっと握ったときの状態で判断します。指を開いた時に手のひらで和三盆糖の固まりがコロンと転がるようになったら、菓子木型に詰めます。
和三盆づくりの写真
日本の菓子木型は、詰めた菓子が取りやすいように上下二段にわかれるようになっています。上の段を慎重にはずして、木型をトントントンとすると……コロン。
和三盆づくりの写真
かわいい梅の花ができました。
プロセスは簡単ですが、型から和三盆がコロンと出てきた時は本当に嬉しいものです。
笑顔を見せる女子生徒たちの写真
できあがった和三盆を前にみんなにっこり。
菓子木型が一つだったのでずいぶん生徒を待たせましたが、できた和三盆を嬉しそうに見つめる生徒を見ると、こんなすき間の時間も大切なんじゃないかと感じました。

和三盆ができた後は、茶道体験です。私とエファ先生のお手本を見せた後、生徒はペアになりお茶を点てました。

茶道の体験をする生徒たちの写真
すんなり抹茶を飲んだ友達に「おぉー!」と驚く生徒。
他にも眉間にしわを寄せながらゴクリと飲んだり、「おいしい!」と喜んでいたり、生徒のいろんな表情が見られました。

本来、お菓子はお茶の香りを引き立てるためにお茶を頂く前に食べますが、苦い味が苦手な生徒もいたので最後に和三盆を食べました。みんな「Manis!!!(あまい)」と言いながらにっこり。つくりたての和三盆は水分が多く、ふわっと口の中で溶けていきます。自分でつくったお菓子はより一層甘く、おいしかったのではないでしょうか。

今回の体験で「お客さんに心地よい時間を過ごしてほしい」というおもてなしの心も伝えたかったのですが、実際の現場はエファ先生と2人でてんやわんや。私自身の準備ができていなかったと反省しました。そんな中でも生徒たちの笑顔がみられたのは、エファ先生の協力のお陰です。私にとってほろ苦い、けれどうれしい茶道体験となりました。

Writer
インドネシア ジョグジャカルタ
村田 真知子さん

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