台湾では日本語を至る所で見ることができ、老若男女問わず多くの人が日本語を学んでいます。日本以外でこんなにも多くの方が日本語を学んでいるのは、新鮮な驚きと喜びがありました。
先日、日本語を学んでいる高校生を対象とした全国高校生日本語アフレコ大会がここ台湾で行われました。私の巡回校である光隆高校もこのアフレコ大会に出場することになり、私も微力ながらお手伝いをさせていただけることになりました。
台湾では9月が新学期となっており、3年生になりたての生徒たちが出場しました。日本語を勉強してきたとはいえ、実際に日本人と間近で関わる機会はほとんどなく、なかなか言葉が出てきません。でもそんな彼らが必ず言ってくれる言葉は、「先生、ありがとう。」でした。台湾人はほんの些細なことでも「謝謝」と伝えます。台湾の本当に素晴らしい一つの文化だと思っています。彼らの「ありがとう」に励まされ、いつしか彼らが可愛くて仕方がない存在になっていきました。
学校での練習の様子。何度も何度も繰り返し。たくさんたくさん遅くまで練習しました。先生たちも総出。厳しい指導も生徒たちを思っていることが伝わってきます。
大会が近づいてくると、ポツリポツリと彼らの本音が聞かれるようになってきました。一生懸命やればやるほど、そのプレッシャーに押しつぶされそうになる彼ら。その度に伝えていたのは、アフレコのセリフの中にある「大丈夫」という言葉。大会の前日は、一人一人に手作りの「大丈夫お守り」を渡しました。
当日、私が遅れて会場に到着すると……
自分のこと以上に緊張しました。
終わった瞬間、主任の呉先生とガッツポーズ!! 今までで一番の会心の出来でした。しかし結果は……。一生懸命頑張った分だけ彼らの目から涙がこぼれます。
私の中ではどの学校より本当に上手でした。悔しい思いもしたけど、その涙が何よりの勲章だ! そして何より私の中では彼らがダントツの優勝でした。