台湾には日本統治時代という歴史があります。台湾に来るまで、その歴史はただの知識としての歴史でした。実際に台湾に来てその歴史を目の当たりにすると、言葉では言い表すことができない感情が押し寄せてきます。
私が派遣されている高校は、台湾の北部に位置する基隆市にあります。現在は中国語表記で「基隆女子高級中學」。この学校の歴史は古く、1924年「臺北州立基隆高等女學校」として創立されました。日本統治時代に創立されたため、当時の学校名は日本語表記になっています。初代校長は日本人の近藤廉三さんという方です。当然ながら、当時の校歌は日本語、制服も日本のセーラー服です。
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現在の生徒数は約1500名。日本に比べて多く感じますが、台湾の高校では比較的少ない人数です。校内面積は大きく、校舎が挟むような形で中庭があります。この植物園のようなジャングルのような中庭の中にひっそりと、神社、正確には神社跡地と当時防空演習に使われていた防空壁が今もなお残っています。


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もちろん、私は戦争を経験したことがありません。ただ、これらは長い年月を経てもなお当時の面影を残し、ここ台湾に、実際に高校の敷地の中に存在し、自分の目で見ることができます。台湾の高校にこのようなものが残っているということは、日本にいた時は想像すらできませんでした。あと半年、教科書で勉強するだけではわからない台湾を自分の目で見て学んでいきたいと思います。