インドネシアでは、多くの地域で日本祭りや日本語大会が開催されています。私の派遣されているスマランでも、1月に大学主催の高校生向け日本語大会がありました。ストーリーテリング、クイズ、書道の3部門が有り、私の派遣校からはストーリーテリング部門に1人、3人1組のクイズ部門に1組の計4人の生徒が参加しました。
この日本語大会のために、約2週間前から出場する生徒とCP(カウンターパート、派遣校の日本語教師)の先生、そして私による猛特訓が始まりました。放課後、毎日図書室に集まり、ストーリーテリングの生徒は同じ文章を何度も何度も練習します。クイズに参加する生徒は、CPの先生が用意した大量のプリントで勉強し、日本に関する知識をたくさん身につけました。
迎えた当日、緊張した面持ちの生徒たちを元気づける先生の一方で、生徒以上にドキドキしてしまう私。先生方から「陽子さん、落ち着いて」と笑われてしまうほどでした。
結果、クイズ部門では、強豪校がひしめく中、セミファイナル進出、ストーリーテリング部門では準優勝と、素晴らしい成績を収めてくれました。
この日本語大会を通じて、感じたことが2つあります。1つは、日本から遠く離れた場所で、行ったこともない日本という国に、こんなにも強い思いを持っている人たちがたくさんいるということです。特に、自分の派遣校の生徒の練習は毎日見ていたこともあり、自分の国、言葉、文化について、こんなにも熱心に知ろうとしてくれていることに感動しました。もう1つは、このことをもっと日本の皆さんにも知ってもらいたい、という気持ちです。もうすぐ私の派遣期間は終わってしまいます。しかし、帰国後もこの国でたくさん吸収した情報、自分の経験を、今度は発信していくことが日本語パートナーズとしての私の務めなのだ、と強く感じました。