こんにちは、フエの渡辺です。
今回は、ベトナムレスリングのお祭りについて、お話ししたいと思います。ベトナムでは旧暦のお正月(テト)をお祝いするのですが、テトのあとにはいろいろな新年行事が催されます。先日、その行事のひとつ、ベトナムレスリングのお祭りに行って来ました。
毎年、旧暦の1月10日に、フエのシン村では、ベトナムレスリングのお祭りが開催されます。このシン村ですが、フエ市内から車で約25分です。会場の周りには、まだ田んぼがひろがっています。普段は人通りも少ないであろうこの村も、この日だけはレスリング観戦のお客さんのバイクであふれていました。
中央には「ソイ」と呼ばれる長方形の闘技場、その周りには観客席があります。もともとは広南朝時代に屈強な兵士を選ぶために行われていたそうですが、現在では村の繁栄や豊作を祈願し、新春の訪れを楽しく祝うお祭りとして、またスポーツとして、400年が経った今でも伝承されています。
ルールですが……正直よくわかりませんでした。
後ほど調べた結果によると、肩が土に触れるか両足が土から離れたら負けになるようです。午前中に、3人連続で相手を倒した選手は午後の準決勝に進むことが出来、準決勝で3人連続で相手を倒した選手は決勝進出となります。
このお祭りの特徴は勝負でなく、フェアプレーを重要視している点です。フエは昔古都であったため、武術の心得を持つ人が多く招聘されており、その公平さを保つために相手に致命傷を与えないように攻撃するようになったそうです。尚、登録されている選手の試合がひと段落したら、一般客の飛び入り参加も出来るようでした。
ベトナムレスリングがどんなものか全く知りませんでしたが、本当に大興奮でした。一年間でこの時期にしか見られない試合を観戦出来て、本当にいい経験になりました。テトの時期にフエを訪れる方がいらっしゃいましたら、ぜひ足を運ぶことをおすすめします。